来局時39歳 医学的な不妊の原因:卵巣嚢腫、潜在性高プロラクチン血症、AMH0.34ng/ml、卵巣機能低下(FSHが高い)
1人目を希望し4年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法6ヶ月、人工授精1回、顕微授精2回

漢方による原因分析)
○体の冷え、足のむくみ、腰痛、首筋のこり、膀胱炎になりやすい、採卵の個数が少ない、舌、基礎体温、年齢などから腎虚
○頭痛、肩こり、ひどい生理痛、舌、基礎体温などから瘀血
○よく汗が出る、胃がもたれる、便秘、疲れやすい、目の疲れ、子宮内膜が薄い、舌、脈から気血両虚

方針)漢方をしばらく続けてから顕微授精をする計画。活血化瘀、補腎充精、補気養血。

改善結果)
漢方製品を組み合わせて服用開始。まもなく生理時に鎮痛剤を飲まないで過ごせるようになる。
6ヶ月後、1回目の採卵。8分割胚(グレード2~3)を1個凍結。
8ヶ月後、脈弱が改善されないため煎じ薬(種子方加減)と亀板鼈甲製品に切り替える。
10ヶ月後に凍結胚移植⇒陰性。
13ヶ月後、2回目の採卵。1個採卵でき授精したが分割が止まる。動物性生薬を紫河車製品と牡蠣肉製品に変更。ご主人も漢方薬の服用を始める。
16ヶ月後、3回目の採卵。2個採卵でき8分割胚(グレード1)と胚盤胞(4BC)を凍結。AMHが低いのでひき続き採卵することに。
19ヶ月後、4回目の採卵。1個採卵でき授精するも分割停止。採卵は中止して移植をすることに。
22ヶ月後、凍結胚移植⇒妊娠反応陽性、その後胎嚢心拍確認。
23ヶ月~出産まで、流産予防の安胎処方を継続。→男の子を出産されました。

30代から数年間不妊治療をして、40歳になるタイミングで漢方薬を始められました。来局以前から顕微授精をされていましたが、AMHが低く、採卵が難しい状況でした。年齢やAMH低いなどで焦る気持ちもあったと思いますが、地道にこつこつと体づくりを頑張って、漢方薬で22ヶ月かけて無事妊娠されました。悪い条件ながら諦めずに努力を続けた結果です。
AMHが低い場合でも、体を整え自身の妊娠力を上手に引き出してあげることで、限られたチャンスを活かすことが大切だと思います。