来局時40歳 医学的な不妊の原因:潜在性高プロラクチン血症、AMH低い(0.31) 1人目を希望し9ヶ月
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法5ヶ月

漢方による原因分析)
○手のほてり、足のむくみ、首の筋のこり、腰痛、低AMH、年齢、顔の色艶、舌などから腎虚
○子宮筋腫、肩こり、頭痛、舌、脈、基礎体温から瘀血
○汗をかかない、動悸、経血量の低下、舌から血虚
方針)養血化瘀、補腎陰
亀板・鼈甲製品で滋陰潜陽し、煎じ薬は四物湯加丹参・香附子で養血化瘀

改善結果)
服用1ヶ月で肌の状態が改善。
さらに2ヶ月漢方薬を続けながら人工授精。妊娠しないため煎じ薬の基本処方を芎帰調血飲とし生薬を加減、補腎温陽の目的で紫河車製品を追加。
4ヶ月継続後、1回目の体外受精。3個採卵できたが受精卵はできず。医師からは不妊治療中止の検討するよう提案されたが、ご夫婦で話し合い不妊治療を続けることに。
紫河車製品⇒牡蠣肉製品(補腎とアミノ酸ミネラル補給)に変更し煎じ薬と併せて服用。
2ヶ月継続後、2回目の体外受精(顕微授精)。2個採卵、内1個受精卵となるも異常卵のため移植できず。
しばらく病院治療を休んで漢方薬のみを続けることにする。
補腎は亀板・鼈甲製品を1日2包、経血量が減っているので煎じ薬には何首烏を追加し2ヶ月継続。その後体調変化に合わせ煎じ薬を調経一号方加減に変更。
1ヶ月継続後、3回目の体外受精(顕微授精)。4個採卵でき、分割胚2個(共にグレード1)と胚盤胞2個。子宮の状態が良くそのまま新鮮胚を2個移植し、妊娠反応陽性。その後、胎嚢・心拍確認。
「病院治療を休んでいる間は、漢方薬を続けていただけでした。こんなに良い結果がでるなんて漢方のおかげとしか思えません。」と言って喜んでいただけました。「初回の漢方相談時に、体質改善は1年かかると先生に言われたけど、その通りちょうど1年で妊娠できましたね。」とも言われていました。
相談者は、年齢や低AMHなどで妊娠を諦めかけたこともあったと思います。私もできるだけ早く成果をだせるようにしていますが、妊娠まで丸1年かかりました。諦めずに、漢方を信じて続けていただいたおかげで妊娠に繋がって良かったです。

18歳女性、ニキビ(尋常性ざ瘡)で6年。
病院でナジフロキサシンクリームやアダパレンゲルなどで治療されているが改善しないため、根本的な体質改善希望で来局。
ここ最近は毎日口囲に白い膿をもったニキビができるようになりひどくなってきている。
所見)口囲は白い面ぽうで他は赤い丘疹が多くニキビ跡は赤紫色のゴツゴツした肌、舌暗紅色、脈浮滑
方針)清熱袪湿を主に徐々に化瘀を強めていく
処方は一般的な清上防風湯を加減しました。温性の強い白芷を除き活血の丹参、整皮の薏薏仁を加え15日分。
漢方薬の味を心配していたが問題なく服用でき、新しいニキビができにくくなってきた。
尿の回数も増えているため同処方を継続。

今後悪い時期もでてくるとは思いますが、鏡を見るのが楽しくなる肌を目指して頑張っていきましょう。

来局時36歳 医学的な不妊の原因:子宮内膜症、チョコレート嚢胞、潜在性高プロラクチン血症
 1人目を希望し3年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法12ヶ月、人工授精2回、顕微授精1回

漢方による原因分析)
○夜のトイレ、足のむくみ、腰痛、首筋のこり、髪の質感、採卵の個数などから腎虚
○子宮内膜症、肩こり、ひどい生理痛、経血の塊、舌、脈などから瘀血

方針)活血化瘀、補腎充精

改善結果)
2種類漢方薬製品を4ヶ月服用。体調変化が乏しくやや血虚があるため養血調経の漢方薬製品を1種追加。
8ヶ月目で生理痛がほとんどなくなる。その後も漢方薬を続けながら、タイミング療法や人工授精を継続するも妊娠しないため一旦治療を中止し漢方薬のみ継続。
その後、治療をステップアップして体外(顕微)受精することに。煎じ薬(種子方加減)と亀板・鼈甲製品を2ヶ月続けてから採卵。
採卵数 前回(漢方薬開始以前)2個⇒今回13個に増え、うち受精卵10個。グレードの良い受精卵複数ができた。
4個を凍結。2個を新鮮胚移植⇒陰性。
凍結胚移植にむけた子宮内環境づくりに取り組むため、煎じ薬は三稜・莪朮の破血薬を使用し、亀板・鼈甲製品を増量。移植2週間前~移植日までは破血の水蛭製品を追加。また、補腎を亀板・鼈甲製品から温腎の紫河車製品に変更し、1回目の凍結胚移植⇒陰性。
中国では、胚移植の反復失敗例は子宮内膜の感受性低下があると考えて益腎気通胞脈の二補助育湯を使って治療するので、これを参考に10味の生薬を選んだ煎じ薬と亀板・鼈甲製品を継続。(二補助育湯の組成は補骨脂・葛根・升麻・巴戟天・桑寄生・続断・牛膝・何首烏・鶏血籐・鬱金)
調整しながら4ヶ月継続し、2回目の凍結胚移植⇒陽性。後に胎嚢確認。
安胎処方に切り替える。

目標達成まで2年4ヶ月かかりました。来局する前からだと不妊期間は5年4ヶ月です。諦めずに頑張ってきた結果がでて本当に良かったです。これまでで最長期間の妊娠例で、私自身も改善できる方法はないか中医学の書籍を読みあさり成長させて頂きました。今後はこの方と同じような胚移植の反復失敗例に二補助育湯を追試して効果を検討したいと思います。

26歳 女性 アトピー性皮膚炎で17年間悩んでいる。
皮膚科でザイザル錠5mg、プロトピック軟膏、アンテベート軟膏、リンデロンV軟膏などで治療中、過去に漢方薬を病院から処方されたことがあるが改善しなかったため中止した。
症状を軽減させてステロイドなどの使用を減らしたい。
皮膚所見は赤みあり、汗をかくと痒みが増す。全身の所見を診ると体質は肝腎陰虚。

治療方針:清熱袪湿(熱>湿)、落ち着いてきてから養肝補腎
処方は清皮湯の清熱の割合を高めるため白朮・茯苓・ヨクイニンを減らし、清熱解毒目的で紫根を加える。
漢方薬を半月続けたあと一ヶ月間様子を見たところ、漢方薬を飲んでいる時の方が痒みが治まっているので、服用を再開する。
時期的に湿気が増してきたため、上記処方に利湿の蒼朮を加えた処方を1ヶ月服用してもらったところ、ステロイドの使用頻度が今までの半分になり、去年の同じ時期よりも症状が落ち着いている。

今回は上記処方をそのまま続けて様子を見たいと思います。17年間も続いている症状だけに簡単にはいかないと思いますが、ステロイドを使わなくても良い体になることを目指して一緒に頑張りたいです。

39歳男性、後腹膜線維症による水腎症、水腎症は発症して4年以上、疲労感・足のむくみなどが半年以上続いている

半年前から疲れたときや夕方の足のむくみ、体の疲れがひどいことで来局されました。
病院では、西洋医学の標準治療であるステロイドの内服、副作用対策の薬、ステントの挿入による尿路の確保をしていました。
病態と体質から、始めに補腎健脾をして自覚症状の改善をし、その後健脾から化瘀に切り替えてステントとステロイドの要らない状態を目指そうと考えました。
また水腎症は原因として免疫異常が考えられているので、検査値では白血球分画を顆粒球:リンパ球=7:3から6:4になること目標にしました。
煎じ薬は六味地黄丸料合玉屏風散可車前子、併せて亀板・鼈甲製品を服用してもらう。1ヶ月目から体調良くなり朝の目覚めが改善する。
2ヶ月後に右側のステントを除去。検査値の目標にしていた割合も6:4になる。
方針を健脾から化瘀に変更。玉屏風散から丹参・牛膝・赤芍に変更し1ヶ月継続。補腎化瘀の目的で沙棘製品を追加。1ヶ月後、左のステントを除去。
相談者は、久しぶりに体の中に異物がない状態となったことを大変喜ばれていました。

まだサポートが必要なので生薬を微調整しながら継続していただきます。
相談者は、海外出張などがあるハードなお仕事をされている方なので、漢方薬で病気にならないための力を上手に引き出せるようにしたいです。

来局時31歳 医学的な不妊の原因:未検査のため不明 
一人目を希望し4年11ヶ月
○来局時の不妊治療歴:なし

漢方による原因分析)
○冷え、夜中のトイレ、舌、脈などから腎虚
○頭痛、末端の冷え、ひどい生理痛(1~3日間痛み止め)、舌などから瘀血
○立ちくらみ、肌の乾燥、眼精疲労、舌から血虚、
方針)養血化瘀、補腎温陽
腎を補い妊娠力をつける亀板膠・鼈甲膠、養血化瘀で四物湯を基本処方とし、まずは鎮痛薬を服用するほどの生理痛がなくなるように白芍を赤芍に変え、活血化瘀の牡丹皮・延胡索・牛膝・紅花・丹参を加味しました。

改善結果)
毎月漢方薬を微調整し、徐々に生理痛による鎮痛薬の服用が減っていきました。半年後には、多い時は3日間服用していた鎮痛薬が必要なくなるまで生理痛が改善。その後も処方を調整しながら、生活改善に取り組んでもらい、7ヶ月目に妊娠。その後、胎嚢を確認。人生初の妊娠に大変喜んでいただけました。
このご夫婦は来局時に検査や治療をされておらず、初回相談時に西洋医学的検査を病院で受けて頂くよう説明しました。ですが、まずは体づくりにきちんと取り組みたいという希望があり、漢方薬を始められました。
5年近く不妊状態だったのが、漢方薬を始めて7ヶ月で妊娠できました。体づくりにきちんと取り組みたいという言葉通り、漢方薬の飲み忘れがなく、ご夫婦で生活習慣改善に取り組んで頂いた結果だと思います。
赤ちゃんを授かる体になるには、極力痛みのない生理を迎えられるようにすることが大切だと改めて感じました。

34歳 医学的な不妊の原因:チョコレート嚢胞、子宮内膜症、AMH低い(40代の数値)一人目を希望して2年6ヶ月
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法12回

漢方による原因分析)
○冷え、むくみ、めまい、首筋のこり、腰痛、疲れると血尿、チョコレート嚢胞、基礎体温などから腎虚
○頭痛、末端の冷え、経血の塊、イライラしやすい、肌のシミ、子宮内膜症、舌、基礎体温から瘀血
○汗をかかない、肌の乾燥、眼精疲労、血虚、
方針)養血化瘀、補腎温陽
腎を補い妊娠力をつける亀板膠・鼈甲膠と養血化瘀で芎帰調血飲を基本処方で温補腎陽の桂皮を加味し、不要な大棗などを減らしました。

改善結果)
漢方薬開始して1ヶ月目から体調も改善していき処方の生薬を妊娠力を効率よくつけるために調整していきました。服用3ヶ月目に1回目の人工授精で陽性反応。その後「胎嚢確認できました」と連絡頂きました。
婦人科の先生から「AMHは40代の数値なのに、1回目の人工授精で妊娠できてすごいね」とびっくりされたとのこと。相談者から漢方薬でカラダづくりしていたおかげです、と喜んでいただけて私も嬉しかったです。

34歳 女性、骨髄異形成症候群(MDS)、煎じ薬を初めて約9ヶ月。

漢方薬を開始してすぐに倦怠感などの自覚症状は改善したのですが、その後体調が悪化し3月の検査で血小板が3.7万個/㎕まで低下してしまう。この時期、倦怠感と強い背中の痛みが現れ、日常生活に支障がでる。痛みで睡眠も良くない。

煎じ薬の処方を、血液を作る目的に変更し、煎じ薬と併せて杞菊地黄丸と牡蠣肉エキスを服用してもらったところ、背中の痛みが無くなる。
5月の検査で、血小板数4.5万個/㎕に回復。
その後、血球や血小板を増やす鶏血籐・阿膠・大棗を帰脾湯の加減処方に追加し、7月の検査結果が以下です。
血小板5.8万個/㎕ 赤血球 304万 白血球 5300

血小板数が大幅に回復し、その他の血球数も改善してきました。
先に脾虚の状態を改善させたので漢方薬による検査値の改善の効果が早かったのだと思います。
何より、倦怠感と強い背中の痛みが改善し、日常生活に支障が無くなったと喜ばれました。
この方は血小板の数値が季節により変動があるのですが、前年の同時期よりも良い数値でした。

 

そして、今回の煎じ薬です。
胃腸の調子が良くなってきたので胃腸の生薬を減らし、補血の当帰などの生薬の割合を増やしました。
今後は血小板数が8.0万以上になることを目指します。
もっと喜んでもらえるように漢方薬を科学的視点で運用したいと思います。
西洋医学が苦手な部分を、漢方薬でどこまでサポート出来るか追求していきます。

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