医学的に原因のない原因不明不妊や不妊治療が繰り返しうまくいかないのは、単に受精の確率や治療法の善し悪しだけの問題ではありません。妊娠出産において最も大切な体の状態が整っていなければ、最新の治療であっても成果をだすことは難しいです。「妊娠しやすい状態」とは、「心身ともに健康度の高い状態」のことです。つまり、赤ちゃんを授かるには、不妊体質を改善し、お母さんになるためにきちんと体を作っておくことです。漢方と病院不妊治療との最大の違いは、「なぜ妊娠できないのか」ではなく、「どうすれば妊娠できるのか」を考えることです。赤ちゃんを授かるために最も必要な条件とは、あなたの体の機能(状態)を整えることです。

  1. 妊娠できる体を作る 
  2. 出産まで赤ちゃんを支え妊娠を継続できる体を作る 
  3. 出産後に育児に耐えられる体を作る 

東洋医学で考える「妊娠しやすいカラダ」「妊娠しづらいカラダ」

東洋医学で妊娠するために必要な条件とは、

  1. 妊娠の成立のために良好な子宮環境
  2. ホルモン活動のエネルギー源となる「腎精」の充実
  3. 卵胞の成熟を支える十分な血液や栄養
  4. 流産しないよう体がバランスよく機能する状態

東洋医学では、病気は「五臓六腑」の変調によって起こるとされています。五臓六腑の働きは、交感神経と副交感神経の「自律神経系」とホルモンの「内分泌系」とリンパ球や抗体などの「免疫系」の3つの働きにより支えられています。この3つの働きが良好で、かつバランスがとれた状態により、十分に内臓が機能し、カラダが持つ本来の妊娠力を発揮することができるのです。

五臓六腑の働きが1つでも停滞すると“妊娠しづらいカラダ”に

この自律神経系・内分泌系・免疫系のどれか1つでも働きが停滞したり、バランスが崩れたりすると内臓機能が低下し、妊娠に特に必要な「肝・腎・脾」の働きが十分に発揮できなくなります。すると、子宮環境・卵子や精子・ホルモンバランスに不調をきたし、“妊娠しづらいカラダ”になってしまうのです。

五臓六腑の働きを良くすることで“妊娠しやすいカラダ”へ

“妊娠しやすいカラダ”の基本である五蔵六腑のはたらきを良くするには、体質を分析し体のバランスを整えていく必要があります。具体的には血液の質を高め、巡りを良くすることで、子宮と卵巣の血流が良くなります。そうすることで、細胞の成長に必要なホルモンや栄養分を供給し、質の良い卵を育て、着床しやすい子宮環境を目指します。

健康な状態を目指すことで、健康回復のために無駄なエネルギーを使わずにすみ、生殖機能にエネルギーを十分使うことができるようになり「妊娠しやすいカラダ」へなります。さらに、妊娠中も赤ちゃんを育てるためにエネルギーを注ぐことが出来るため、妊娠を継続する力が上がり、流産せずに元気な赤ちゃんを産むことができるのです。

基礎体温は漢方では重要な情報源

東洋医学では、基礎体温の変化は重要な情報源です。
基礎体温パターンから五臓(肝・心・脾・肺・腎)や「気・血・水」の働きを推測し対策を立てていきます。

もちろん他の体の症状などから総合的に判断する必要はありますが、妊娠できない体質になっている東洋医学的原因をみつけるには、基礎体温の分析はとても重要であり、それにより最適な漢方をご提案できます。

妊娠しにくい5つの基礎体温パターンと東洋医学的対策

高温期がない

高温期がない

月経周期をつくるために、生殖機能をつかさどる「腎」を補強し、血行を良くする「補腎活血法」を行います。

高温期への移行が3日以上かかり遅く、段階的に上昇

高温期への移行が3日以上かかり遅く、段階的に上昇

「気」と「血」の流れが悪く「瘀血(オケツ)」ができているので「活血化瘀法」を行います。

高温期が短い、または高温期の体温が低い、低温期の体温が36度以下になることがある

高温期が短い高温期の体温が低い

体を温める「腎陽」が弱っているので、「補腎温陽法」を行います。

高温期が高すぎる

高温期が高すぎる

体を潤す「腎陰」が不足し過剰な熱が悪さをしているので、「滋陰降火法」を行います。

上下の幅が大きい

上下の幅が大きい

ストレスにより「肝」と「腎」が弱っているので、「疏肝理気・補腎活血法」を行います。