体外受精を何度も失敗している
採卵が上手くいかない(採卵できない/変性卵/空胞)
・採卵できない
・採れても変性卵や空胞
・受精しない、受精後に成長が止まる
など、採卵が上手くいかないないため胚移植まで治療を進めることができない場合。
とくに高齢だったりAMHが低い場合は、採卵がうまくいかないと治療の継続が難しくなってきます。もちろん漢方薬でAMHを上げることはできませんが、漢方で体を整えていくことにより、採卵の結果が改善したという症例は数多くあります。
卵子は通常3~6ヶ月かけて体内でゆっくり成長したのち排卵されます。卵の育ちや卵子の質は、この期間の体の状態(=ホルモンや血液、自律神経のバランスなど)の影響をうけます。
※採卵できない/凍結胚ができない/変性卵/空胞の改善例はコチラ
胚移植しても妊娠しない(移植の反復失敗/着床障害)
何度も胚移植をしているのに妊娠しない場合、受精卵の質もありますが、子宮環境の問題による着床障害である場合も少なくありません。
漢方では、子宮内の
①血液の質を上げる
②血液量を増やして巡りをよくする
③着床を邪魔する瘀血(おけつ)を取り除く
さらに全体として
④受精卵をスムーズに受け入れるために自律神経のバランスをとっていく
というアプローチをしていきます。
体外受精・顕微授精の場合、治療のストレスや移植後~妊娠判定までの期間にかかるストレスなどで自律神経のバランスが乱れやすく、知らず知らずのうちに着床に不利な体の状態になっていることがあります。漢方でストレスケアをすることで、妊娠しやすい心身ともにゆったりとした状態へ導きます。
※移植の反復失敗・着床障害の改善例はコチラ
体外受精・顕微授精に備えた体づくり~漢方3ヶ月で体の準備を~
体外受精・顕微授精は素晴らしい治療法ですが、身体的・精神的・経済的にとても負担の大きいです。卵子の老化・AMHの問題などで、早く治療を進めなければと焦る気持ちがでるのは自然なことだと思います。ですが、AMHが閉経間近の数値の方でも妊娠・出産した方は多くいらっしゃいます。漢方で卵子を若返らせたりAMHを高くすることはできませんが、大事なのは卵の質です。そもそも質が良くなければ、数があろうがなかろうが妊娠することはできません。
普通に考えると、漢方で体づくりするということは、始める前より年齢を重ねているので、理論上は卵子が老化してAMHは低下しているはずです。それにもかかわらず多くの方が妊娠・出産することができたのは体の機能や卵の質にアプローチして妊娠力を高めた結果だと思います。体外受精・顕微授精で少しでも確率を上げていくには、しっかり準備し体を整えてから望んで欲しいと思います。不妊治療の結果が良くなるように、漢方でカラダの力を上げていきましょう。さつま薬局では、まずは3ヶ月を目安に漢方薬での体づくりをおすすめしています。(※その方の体の状態により調整します)
流産を繰り返さないために漢方でできること
反復流産の頻度が推測値よりも多い事実
残念ながら、全妊娠のうち約15%程度は流産に終わります。
もし流産を2回繰り返すような場合、その頻度は計算上2.25%です(15%x15%)。しかし、実際には5%の頻度で起こっています。
理論値よりも実測値が多いということは、計算では考慮していない流産頻度を上げるリスク因子が存在すると考えられます。
初期流産の80%は受精卵の染色体異常が原因です。
しかし、反復流産の場合は染色体異常の割合は50%と減少します。最近の研究では、流産回数が増えるほど染色体異常の発生率は減少することがわかっています。そのため、流産回数が多い場合は、染色体異常以外のリスク因子の追求のため、病院で不育症の検査を受ける必要があります。検査で抗リン脂質抗体症候群と診断されれば、アスピリン・ヘパリン併用療法で出産率が上がることがわかっています。抗リン脂質抗体症候群による不育症の割合は10%で半分以上はリスク因子が不明だと考えられています。流産のリスク因子に対して何も対策をとれないことが、流産を繰り返す確率を上げているのではと思います。(参照:データから考える不妊症・不育症治療、メジカルビュー社、P54~56)
様々なリスク因子の対策に漢方・中医学が良い理由
それでは抗リン脂質抗体症候群以外の子宮形態異常・夫婦染色体異常・内分泌代謝異常・血液凝固異常などのリスク因子、または今の検査機器では分からない原因がある場合はどうしたらいいのでしょう。
子宮形態異常の中隔子宮なら手術で改善できますが、それ以外のリスク因子に対しては、残念ながら、西洋医学では今のところ有効な手立てが見つかっていません。
しかし漢方・中医学は西洋医学とは違う視点でアプローチするために解決法があります。
中国の伝統医学の中医学では、反復流産(連続の流産)や習慣流産(連続して3回以上)や不育症(流産や早産を繰り返す)のことを「滑胎」といい、妊娠前に男女共に補腎薬で体を元気にし、妊娠後はお母さんに安胎薬で流産・早産リスクを下げる対策法があります。
受精卵ができるまではお父さんお母さんの体づくり、妊娠してからはお母さんの体を元気にして出産という大仕事に備えていきます。
科学的な証明はまだされてませんが、実践医学として仮説に基づいた実際の治療を通し効果や副作用を検証してきた実績があります。
流産は心にも体にも大きな負担になります。しかし、中医学を基にした独自理論で漢方薬を服用し以前の流産週数を乗り越え無事出産される方を何人もみてきました。
流産を経験されお悩みの方、もちろん初めて妊娠を目指す方も、私たちと一緒に、漢方で一つ一つのことに対処して流産リスクを下げ元気な赤ちゃんを授かることを目指しましょう。
※習慣性流産・反復流産・不育症の改善症例はコチラ
習慣性流産・不育症の症例研究
2019年末より、反復体外受精・胚移植(ART)不成功例、習慣流産例(反復流産を含む)、染色体構造異常例を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の有用性に関する多施設共同研究が開始され、体外受精においては胚移植あたりの流産率の減少や妊娠率の上昇のための研究が進んでいます。しかしながら、現状では染色体異常を除くの流産のリスク因子の多くが不明です。
以下の症例はこれまでに5回流産を繰り返している習慣性流産の方の症例検討です。 西洋医学的な検査では異常が認められない方です。 西洋医学の不妊治療ではダメなら回数をこなしていくしかありません。しかし、妊娠を維持するための生理機能を高めることは東洋医学が得意な分野です。 西洋医学的には原因不明でも、東洋医学では体の臓器のバランスの崩れが症状を引き起こしていると考え、 その原因を探るための診察法が研究されてきました。その分析法を用いて原因を解決するための漢方薬を選び治療していきます。 〔以下は専門誌 中医臨床2014年3月号に掲載された記事の抜粋〕
流産回数が多いほど胎児染色体異常の発生頻度は低いことがわかっています。(参考文献 竹田省:データから考える不妊症・不育症治療、メジカルビュー社、東京、P55、2017)つまり胎児を育てる母体をつくることで流産の確率を下げられます。漢方薬を使うメリットはここにあると考えています。