慢性腎機能障害が漢方で改善 76歳
来局時の状況
74歳 女性 医学的診断:軽度腎機能障害
主訴
健診で尿潜血や腎機能低下が指摘されているので改善したい
現病歴
Cr:0.86mg/dl eGFR:49.2、尿潜血2+。病院処方薬はなし。
漢方医学的所見
自覚症状
特になし
他覚症状
電話相談のため検査値のみ
改善結果
腎虚瘀血と弁証し、亀板膠製品を1日1包と冠心2号方を1日1包で1カ月(約15000円)服用。
同処方を1年継続後の健診で、Cr:0.87mg/dl eGFR:48.4、尿潜血1+となり、尿潜血は改善したが、腎機能の改善は改善なし、夏バテから倦怠感あるため補中丸を追加。1年継続後の健診で、Cr:0.78mg/dl eGFR:54.3、尿潜血±となり、尿潜血、腎機能障害伴に改善。
考察
- 本症例において、補中丸に含まれる黄耆の投与後に腎機能の改善が見られた。
- 慢性腎機能障害に対する黄耆大量療法の有効性が報告されているが(文献1)、本症例からは少量であっても、適切な証に基づいて用いれば腎機能障害に有効である可能性が示唆される。
(薬剤師・国際中医師:田之上晃)
参考文献
(1)臨床中医学各論,張瓏英,緑書房