低AMH 漢方併用で体外受精1回目で妊娠 40歳
来局時39歳 医学的な不妊の原因:なし(プロラクチンやや高い)AMH低い
2人目を希望し1年6ヶ月 半年前に一度陽性がでたが化学流産
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法1ヶ月
漢方による原因分析)
○冷え性、生理周期が短い、アトピー性皮膚炎などから腎虚
○子宮筋腫、排卵痛、生理痛、経血にレバー状の塊あり、などから気滞瘀血
○肌・髪の乾燥、生理量が少ない・期間が短い、足がつるなどから血虚
○軟便・下痢しやすいから脾虚
方針)ステップアップする予定なので、体外受精に向けて妊娠しやすい体づくりをする。
改善結果)
牡蠣肉・当帰製品・亀板鼈甲製品で、補腎・活血・補血をしていく。
1~3ヶ月目、生理痛・排卵痛はあるが以前より軽減。
4ヶ月目、体調は良い。肌の調子も以前より良い。採卵する予定だったが、遺残卵胞があり延期。
5ヶ月目、ショート法で採卵予定だったが、卵胞が1個しか育たず採卵キャンセル。生理痛は少し。
6~7ヶ月目、寒い時期が苦手なので、採卵を延期。体を整えて次回の採卵に備える。
8ヶ月目、採卵周期。睡眠の質も良く体調は良い。3個採卵、2個受精し、うち1個胚盤胞(5日目4BB)を凍結。
9ヶ月目、移植周期。妊娠反応(+)。胎嚢・心拍確認。
10カ月目~、流産予防のための安胎処方を継続し、安定期に入る。
考察)
AMHが低く、問診では瘀血・血虚・腎虚・脾虚、もともとの体質に加え年齢的に妊娠力の低下が見られる方。
40歳の体外受精での1周期当たりの妊娠率は10~20%程度ですが、低AMHの場合は採卵がなかなかできない場合があり、できたとしても卵子の質の問題などで着床率が低いので、妊娠率も下がります。
相談者も、採卵の延期やキャンセルが続きましたが、体を整えて良いタイミングを待ちました。
最終的に1回目の体外受精で妊娠できたので、漢方で自身の妊娠力を上手く発揮できたと思います。
(薬剤師 田之上顕子)
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