多嚢胞性卵巣症候群 子宮内膜症 漢方での体質改善で自然妊娠 37歳
多嚢胞性卵巣症候群 子宮内膜症 37歳女性の症例
来局時の状況)
36歳 医学的な不妊の原因:多嚢胞性卵巣症候群 子宮内膜症
1人目を希望し5年
不妊治療歴:タイミング療法4回 (来局時は治療を休んでいる)
漢方による原因分析)
○子宮内膜症・排卵痛・生理痛・下痢と便秘を繰り返す・経血にレバー状の塊・生理前に乳房が痛い・慢性的な肩こり頭痛・などから気滞瘀血
○乾燥肌・動悸・立ちくらみ・足がつる・爪が割れやすい・便秘・便が固いなどから血虚
○口内炎ができやすい・吹き出物ができやすい・気力がなく体がだるい・食後の眠気などから脾虚
○多嚢胞性卵巣症候群・耳鳴り・めまい・冷え・むくみ・白髪が多いなどから腎虚
改善結果)
1~4か月目、予算の都合で補血の生薬のみ開始。生理痛や頭痛はあるが、生理前の胸の張りや痛みがなくなり、徐々に便通が良くなりすっきり感がある。
5か月目、生理痛や排卵障害の改善のために活血薬を追加。
6か月目、便通は毎日、排卵痛や生理前の胸の痛みなど不調がなし。めまいや頭痛が気にならなくなった。
7~12か月目、仕事が多忙で不規則な生活、ストレスが多く、便通が乱れやすい。漢方薬の服用量を調整しながら継続してもらう。
13か月目、高温期が続いているため検査したところ妊娠反応陽性。その後胎嚢確認⇒経過順調で出産。
考察)
仕事が多忙でストレスが多く、ご夫婦の時間が取れず病院治療は中断していました。
多嚢胞性卵巣症候群や子宮内膜症、他にも不調が多く、漢方的には瘀血・血虚・脾虚・腎虚が顕著で、妊娠しにくい状態でした。
漢方で体を整えて、タイミングが合えば病院治療も再開したいということで、体質改善に取り組みました。
便通が改善し排卵痛や生理前の不調がなくなるなど、徐々に不調が改善し、1年後に自然妊娠されました。
漢方的に改善すべき不調が多い方でしたが、焦らずこつこつ体を整えたことで、自然妊娠することができたと思います。(薬剤師:田之上顕子)