漢方相談事例:35歳女性、二人目不妊のケース

患者様の背景と悩み

35歳の女性の方で、二人目の赤ちゃんを望んでいらっしゃいました。病院での検査の結果、プロラクチン値が高く、AMH値も0.31ng/mlと低値でした。半年ほどタイミング法を試されていましたが、妊娠には至っていませんでした。子宮内膜が薄くなる周期もあり、病院での治療を継続することが難しい状況でした。

漢方による体質分析と治療方針

当薬局での漢方相談では、以下の体質傾向が考えられました。

  • 腎虚(やや陰虚): 足先やお腹の冷え、首のコリ、アレルギー症状、基礎体温、舌の色などから、腎の機能が弱まっている状態と判断しました。
  • 瘀血: 軽度の生理痛、経血の塊、肩こりなどから、血の流れが悪くなっている状態が考えられました。
  • 血虚: 睡眠の質の低下、肌の乾燥、目の疲れ、生理量の減少、子宮内膜が薄くなること、脈の状態などから、血液が不足している状態と判断しました。

これらの体質を改善するために、以下の漢方薬を処方しました。

  • 芎帰調血飲湯(きゅうきちょうけついんとう)の加減: 活血化瘀作用があり、血の巡りを良くして瘀血を改善します。
  • 亀板(きばん)などの動物性漢方製剤: 腎を補い、陰を養う作用があります。

また、漢方薬の効果を最大限に引き出すために、以下の養生法もご提案しました。

  • 冷え対策: 足湯、温かい飲み物などを積極的に摂る。
  • 睡眠の質向上: 規則正しい生活を送る、リラックスできる環境を整える。
  • バランスの取れた食事: 温かいものを中心に、栄養バランスの良い食事を心がける。

治療経過と結果

漢方薬の服用開始後、1ヶ月目から生理量が増加するなど、体質改善が見られました。その後も漢方薬を調整しながら続けていただき、5ヶ月目に妊娠に至りました。

患者様は、以前から別の漢方薬局で漢方薬を服用されていたとのことでしたが、当薬局の漢方薬の方が効果が早く感じられたと喜んでいらっしゃいました。