高プロラクチン血症、凝固第Ⅻ因子欠乏症、凍結胚移植と漢方併用で妊娠 31歳
来局時の状況
31歳 医学的な不妊の原因:高プロラクチン血症、凝固第Ⅻ因子欠乏症
1人目を希望し5年
○来局時の不妊治療歴:人工授精6回、体外受精1回、顕微授精3回
漢方による原因分析)
○下半身の冷え、むくみ、脈、移植4回とも陰性などからやや腎虚
○生理痛、凝固第Ⅻ因子欠乏症、舌、移植4回とも陰性などから瘀血
方針)
治療を休んで3ヶ月間漢方薬で体づくりをして、凍結胚盤胞移植する予定。過去の胚移植ではグレードは良いが一度も陽性反応がでないとのことなので、中医婦人科の基本方針補腎温陽・活血化瘀を体質に合わせた生薬で徹底する。
改善結果)
1~3ヶ月、来局前の体外受精では、毎回、受精卵の分割スピードに問題なく、移植時に内膜の厚さも問題ないが陽性反応がでなかった。着床できる質の良い子宮内膜を作るために、養陰補陽のできる亀板膠製品と、煎じ薬は内膜の巡りをよくするため活血として折衝飲と補気で党参と疏肝活血の川玉金の処方で開始。処方調整しながら継続。
4ヶ月目、移植周期。移植周期になると不安感が強く、睡眠の質が悪くなるとのことなので、帰脾湯合四物湯に疏肝の香附子・蘇葉を加えた煎じ薬と動物生薬を亀板膠製品から牡蠣肉製品に変更した処方。その後、妊娠反応陽性、胎嚢・心拍確認。安胎薬は補腎を重点にした処方で継続。
まとめ)
来局する前の体外受精では、質の良い卵を何度も移植しているのに一度も陽性反応がでず、諦めかけていたとのことでした。移植に備え漢方薬でしっかり体づくりをして、初めての妊娠に繋がりました。
漢方薬を始めて生理痛が軽くなり、瘀血が改善して着床しやすい子宮になったと考えています。また、ストレスのかかる移植~判定の際、必要以上に不安にならないように、疏肝や安神作用のある生薬を使うことでスムーズに着床できたのだと思います。