30代前半の女性、煎じ薬を初めて6ヶ月近くなります。
食欲がない、倦怠感などの不調は煎じ薬をはじめてまもなく改善しましたが、血小板数は少しずつ低下してきていました。

ここ数年間血小板は4~5万個/㎕で落ち着いていたが、3月の検査で3.7万個/㎕に低下し、このまま低下すれば抗がん剤や免疫抑制剤を使った薬物療法を始めないといけないとのことでした。血液内科の担当医は、薬物療法は副作用が強く出来ればしたくないという考えです。そこで今までの煎じ薬と別に骨髄を養うために補腎の丸剤を追加してもらいました。
胃腸機能をもう少し整えてから補腎をしていく予定だったのですが、血小板数を早く回復させるために生薬原末を固めた杞菊地黄丸を追加しました。

約2ヶ月後の検査で、血小板数4.5万個/㎕に回復。
また、自覚症状としてあった背中の痛みが全く無くなりました。
この背中の痛みは、医師に相談しても原因不明といわれ、自身で湿布を貼るなどしても改善せず、諦めていたそうです。
中医学では腎精が不足すると、骨髄が空虚となり腰がだるくて痛むようになります。
これは腰に限定されるわけでなく背中の一部(真ん中当たりが多い)が痛くなることもあります。
骨髄異形成症候群の本質は腎精虚であり、症状によって兼証を考えます。この女性の場合は脾虚になります。
本来なら腎精虚を改善するために補腎を真っ先にすべきですが、脾虚の程度がひどかったため健脾をまず行いました。
脾虚がひどい場合は、胃の負担がある補腎の生薬を使うと、脾虚が改善されないだけでなく腎虚も改善しません。
今後も煎じ薬で健脾去痰をして胃の状態を改善しながら、段階的に補腎の生薬を動物性生薬に変更して行く予定です。

今回の煎じ薬です。
益気補血・健脾養心の帰脾湯を基本に加減しました。このまま病気の進行を遅らせられるよう調整していきたいです。