顕微授精、凍結胚移植で妊娠 35歳
35歳 二人目不妊
医学的な不妊の原因:(ご主人)乏精子症、(奥様)卵管閉塞
○来局時の不妊治療歴:顕微授精3回
ご夫婦共に漢方薬で体づくりした方が良かったが、予算の関係でご主人のみ漢方薬を始めることに。ご主人は以前より病院から処方された八味地黄丸と補中益気湯を服用中。男性不妊の場合、以前は体質を分析してそれに合わせた漢方薬を処方していました。しかし、現在は動物性の補腎の漢方薬を勧めることにしています。比較的短期間で子宝を授かるには、生殖機能を司る腎の機能を高める漢方薬を使うだけで十分です。
漢方による原因分析)
○精子濃度、運動率が低いことから腎虚
方針1)中国で生殖機能減退改善に使用される海馬補腎丸を日本人の体質に改良した漢方薬を提案。併せて効果を高める養生法を提案。
改善結果)約2ヶ月後の検査では、以前より精子濃度が約5倍、運動率が約3倍に改善。そのまま3ヶ月程度続けて顕微授精。グレード1~2の胚ができ移植するが妊娠せず。その後、約5ヶ月同じ漢方薬を続けて、再び顕微授精。3個の受精卵ができ、うち1個は胚盤胞まで育つ。何回も顕微授精をしてきたが、胚盤胞まで卵が育ったのは初めてとのこと。
方針2)良い受精卵ができたので、移植後に卵が根付いてしっかり育つようお母さんの体を整える処方に切り替え。受精卵が着床してすくすく育つように、肝・腎を補う牡蠣肉と補腎補血のプラセンタ、僅かな活血作用のあるDHA・EPAのサプリメントを併せて服用してもらいました。また、この女性は6ヶ月以上、おやつとして乾燥ナツメを毎日食べていました。ナツメは生薬名”大棗(たいそう)といい、血液を補い体を温めてくれて、葉酸・鉄分を豊富に含んでいます。
改善結果)1ヶ月後、グレード2~3の胚を移植、無事妊娠し胎嚢確認。その後は安胎のために栄養補助食品を継続してもらいました。ご夫婦で協力して、体づくりできたことで目標達成出来たのだと思います。