来局時39歳 医学的な不妊の原因:なし 
2人目を希望し8カ月
○来局時の不妊治療歴:人工授精4回

漢方による原因分析)
○冷え、毎日夜中トイレに起きる、高血圧傾向、腰痛、白髪・抜け毛、AMH1.18(ng/ml)、基礎体温などから腎虚
○目が覚めやすい、不安感が強い、頭痛、肩こり、暗紅舌などから血虚による瘀血

方針)体づくりをして病院治療の効果を上げることを希望。補腎と養血活血をすることで子宮・卵巣の機能を回復して妊娠を目指す。

改善結果)
牡蠣肉製品と亀板膠製品と芎帰調血飲去白朮・烏薬加黄耆・丹参・蒲公英・竜眼肉の煎じ薬30日分で開始。
2~10診、体調に合わせて同処方と煎じ薬30日分ずつ処方。間隔を空けながら人工授精2回するが妊娠せず。不妊治療をステップアップし体外受精にて良好胚盤胞を1個凍結し移植にて妊娠。

考察)
40歳の体外受精1回あたりの妊娠率が19%(1)ということを考えると、1回目で妊娠できたことは漢方薬が有効であった可能性がある。卵巣内で休止状態にある原子卵胞から排卵するまでに6カ月かかると考えられているので、その期間漢方薬を続けることで質の良い卵ができ妊娠しやすくなると思われる。

参考文献
※1.データから考える不妊症・不育症治療.株式会社メジカルビュー社
(薬剤師、国際中医師:田之上晃)

※40歳以上の方の妊娠例はコチラ