体外受精と漢方併用で妊娠 40歳
漢方相談事例:40歳女性、不妊治療と漢方薬の併用による妊娠
ご相談の背景
- 年齢: 39歳
- 目的: 2人目の妊娠を希望
- 治療歴: 人工授精4回
- 西洋医学的診断: 医学的な不妊の原因なし
- 妊娠を希望: 8か月
漢方による体質分析と治療方針
漢方薬局でのご相談では、以下の症状から「腎虚」と「血虚による瘀血」という体質と診断されました。
- 腎虚の症状: 冷え、夜尿症、高血圧傾向、腰痛、白髪・抜け毛、AMH値の低下など
- 血虚による瘀血の症状: 不眠、不安感、頭痛、肩こり、舌の色など
この体質に基づき、子宮・卵巣の機能回復を目的とした「補腎」と「養血活血」を治療方針としました。
使用した漢方薬と治療経過
- 処方: 牡蠣肉製品、亀板膠製品、芎帰調血飲去白朮・烏薬加黄耆・丹参・蒲公英・竜眼肉の煎じ薬
- 治療経過:
- 2~10診、体調に合わせて調整しながら漢方薬継続。人工授精を並行して2回実施
- 体外受精にステップアップし、良好胚盤胞を1個凍結・移植し妊娠
治療効果と考察
- 妊娠率: 40歳の体外受精1回あたりの妊娠率が19%であることを考えると、1回目で妊娠できたことは漢方薬が有効であった可能性が考えられます。
- 漢方薬の効果: 漢方薬を継続することで、卵巣内で休止状態にある原始卵胞から質の良い卵子が育ち、妊娠しやすくなったと考えられます。
まとめ
本事例は、漢方薬が不妊治療の補助療法として有効である可能性を示唆しています。ただし、個々の体質や症状によって効果は異なります。
参考文献
※1.データから考える不妊症・不育症治療.株式会社メジカルビュー社
(薬剤師、国際中医師:田之上晃)
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