来局時の状況)

19歳 女性   大学生
主訴)マスクかぶれで、顔(目から下)の吹き出物が酷くなった。皮膚科の塗り薬でよくなってきたが跡も残っていて、とても気にしている。

漢方医学的所見)

○小さい頃から酷い乾燥肌、ストレスや季節の変わり目に首のリンパの辺りに赤い湿疹のできる。
○大学生になり東京で一人暮らしをはじめてから吹き出物が酷くなり、マスクかぶれで一層酷くなった。コロナ渦でストレスが多い。今は春休みで帰省しているが、また戻ってからストレスで悪化するのではないか。

方針)牡蠣肉配合製品、当帰製剤で補血・補腎・補陰・補気

経過)

1ヶ月後、新しい吹き出物ができなくなった、跡が数カ所あるが、肌がほぼキレイになった。便通が良くなり、手足の冷えが少し改善。寝起きも良くなった。
2ヶ月後、春休みが終わり東京に戻って、3日目くらいからやや乾燥してきてザラザラしてきたが、それ以上酷くならず、1週間を過ぎる頃には、元に戻った。
3ヶ月後、肌の調子はとても調子が良い。環境の変化やストレスに対応するために体のベースを整えておきたいのでもう少し漢方薬を続けたいとのことで、当帰製剤のみ継続。

考察)

相談者は、小さい頃から乾燥肌、ストレスや季節の変わり目に湿疹ができる、皮膚科で処方してもらった薬を手放せないなど、腎虚体質がベースにある方。進学による生活環境変化で吹き出物ができ、コロナによるマスク生活で一層悪化したものと思われます。
漢方では、皮膚のケアは、
①補血=質の良い血を補って肌に必要な栄養や水分を補う
②活血=血の巡りを改善し肌の代謝アップ
③滋潤=肌や髪など体表部まで栄養が行き渡り、潤いを守る力を高める
の3つが基本です。
もし体質的にアトピーなど腎虚がある方は、同時に補腎をすると、さらに免疫力などの体のベースが上がり、ストレスや環境の変化に強くなってきます。