来局時50歳 女性  医学的診断:更年期障害
主訴)1年以上前から喉にものが詰まったような感じがする

漢方による原因分析)
○喉にものが詰まったような感じ、不安や憂鬱、疲れやすいから肝鬱・気滞・気虚・血虚
○頭が重い・めまい・むくみ・下痢しやすい、夢を多く見るから痰湿

方針)逍遙散で疏肝補血、温胆湯で痰湿を取り除く

改善結果)
1ヶ月後 喉の詰まりはほとんどなくなった。ホットフラッシュや夜間のトイレは続いている。逍遙散は継続。温胆湯を亀板鼈甲製品に切り替え。
2ヶ月後 調子が良いが亀板鼈甲製品の味が苦手とのことで、逍遙散のみ継続。

相談者は、更年期で、1年以上前から喉がつかえた感じが続いていました。不眠やめまいなどの種々の不調もでて、病院に行くたびに薬が多くなり、改善しないまま大量の薬を飲み続けてよいのか心配になり来局されました。更年期のホルモン量の変化で体にストレスがかかり、喉にものが詰まった感じが続く肝鬱気滞の症状が現れていました。余分な痰湿をとりながら滞った気を流して巡りをよくしてあげることで、1年以上続いていた喉の詰まりが、1ヶ月後にはほとんど気にならなくなりました。

婦人科や心療内科などで更年期障害や女性の生理前のイライラによく使われる漢方に加味逍遥散があります。加味逍遥散の『加味』とは、元の薬に「加えた」という意味で、逍遥散に清熱薬が加えられた処方です。下痢しやすい方の場合は冷やさないほうがよく、清熱薬が邪魔になるため、本来の逍遥散の処方が適しています。基本的に多くの女性は、冷やすより温めてあげたほうがいい場合が多いです。