漢方相談事例集|33歳女性、3人目不妊のケース

来局時の状況

  • 年齢: 33歳
  • 不妊治療歴: なし
  • 希望: 3人目の妊娠
  • 症状: 冷え性、むくみやすい、生理周期が短い
  • 漢方診断: 腎虚

原因分析と治療方針

医学的な原因が見当たらないにも関わらず、妊娠に至らない原因として、漢方では「腎虚」という体質が疑われました。腎虚とは、腎の働きが弱っている状態であり、生殖機能の低下や、冷え性、むくみ、生理周期が短いといった症状を引き起こすことがあります。

そこで、腎の働きを補う「補腎」という治療方針を立て、当薬局の牡蠣肉製品を処方しました。牡蠣肉は、腎を補い、血海(子宮や卵巣に栄養を与える経絡)を充実させる効果があるとされています。

治療経過と結果

牡蠣肉製品を30日服用後、すぐに生理がきましたが、その後、次の生理が来ない状態が続き、病院で妊娠が確認されました。その後も出産まで継続して服用されました。

考察

このケースでは、短期間で妊娠に至ったことから、牡蠣肉製品の補腎効果が期待できることが示唆されました。特に、牡蠣肉に栄養学的に補腎効果のあるビタミンDなどを加えた製品が、妊活における腎の働きをサポートした可能性が考えられます。

一般的に、補腎薬には、植物性の八味地黄丸や六味丸、動物性の鹿茸、亀板膠などがあります。しかし、このケースでは、血海を充実させるために、古くから日本人が食べている海の物である牡蠣肉が選択されました。

(薬剤師、国際中医師:田之上晃)