来局時の状況)

37歳  
○来局時の不妊治療歴:なし AMH0.81 生理周期が短い(もともと26~27日周期⇒半年前から23~24日になっている)

漢方による原因分析)

○AMHが低い、生理周期の短縮、足のむくみ、腰の重だるさ、アレルギー体質、手足の冷えから腎虚
○肌の乾燥、不安な気持ちになりやすい、生理量が少ない、生理期間が短いなどから血虚
方針)漢方で体を整えながら自然妊娠を目指す。不妊治療を始めるかどうかパートナーと相談して決める予定だが、現在は未定。

改善結果)

1ヶ月目、牡蠣肉製品と当帰製品、亀板鼈甲製品を開始。
2ヶ月目、生理周期26日。ここ半年はずっと23~24日周期で久しぶりに長い周期がだせたと喜ばれる。
3ヶ月目、生理周期23日。体調は変わりなし。基礎体温では高温相が分かりにくく、排卵したか不明。
4ヶ月目、生理周期27日。基礎体温は2相になっている。高温相は陥没がなくきれいにでている。生理量が以前より少ないのが気になる。
5ヶ月目、生理周期26日。基礎体温は2相になっている。高温相は陥没がなくきれいにでている。排卵日付近のおりものの変化あり。
6ヶ月目、生理周期24、25日。体調は変わりなし。基礎体温は、高温相が分かりにくく排卵不明な周期と、2相になっている周期。
7ヶ月目、生理周期20日。基礎体温は1相のまま生理がすぐに始まったので、排卵していない可能性。不妊治療をするか迷っている。
8~9ヶ月目、生理周期26、27日。基礎体温は2相になっている。高温相への立ち上がりも良い。排卵日付近のおりものの変化あり。
10ヶ月目、生理周期22日。基礎体温は2相になっていたが、高温期が9日で終わっているので卵の質が悪く黄体ホルモン分泌が上手くできていない可能性。
11ヶ月目、生理周期26日。基礎体温は2相、高温期が11日。排卵日付近のおりものの変化あり。
12ヶ月目、生理周期31日目だが生理がこない。途中で少量の薄いピンク色の出血や茶色のオリモノあり。35日目になったら妊娠検査薬を試すように伝える。
13ヶ月目、妊娠反応陽性。その後胎嚢・心拍確認。

考察)

AMHが42~43歳相当の数値。また、もともと26~27日だった生理周期が、半年前から23~24日に短縮していることから、卵巣機能低下や早発閉経する可能性が考えられました。不妊治療を検討するように提案しましたが、しばらくは漢方で頑張ってみたいと希望され、体づくりに取り組みました。
当初から卵巣機能を元気にするための補腎の生薬を多めに処方したところ、26~27日の周期がでてくるようになりました。基礎体温が良い周期もだせるようになり、以前より妊娠の可能性は上がって来ました。その後コツコツ体づくりを続けて、ちょうど1年で自然妊娠できました。
(薬剤師:田之上顕子)