来局時29歳 

主訴)毎回、生理前後の数日間、めまい・吐き気・倦怠感・血の気がひく感じ・動悸がひどく、食事も摂れなくなったりして、仕事を休むほど具合が悪くなる。イライラや不安感も強くでる。
婦人科を受診し、1年前から加味逍遥散・六君子湯を服用しているが改善しない。

方針)血虚による気滞と考え、 補血・疎肝・健脾の漢方薬を処方。

改善結果)
1か月目、吐き気や倦怠感は気にならなくなった。
2か月目、生理前後のめまいや動悸、便がすっきりでないなどあるため、補血の漢方薬を追加。
4か月目、以前より調子が良い。体調の波が小さくなり、日常生活に支障がなくなっている。
仕事を休むほどの不調がなくなったので漢方薬を減らし、体調に合わせて調整しながら服用してもらい、1年以上体調が安定している。

考察)社会人になってから月経前症候群(PMS)に悩まされるようになった方です。仕事のストレスがとても多いとのことで、中学的にはストレスによる自律神経失調(肝の疲れ)があり、生理前は血虚により気のめぐりが悪くなり、気血が通じなくなり様々な不調が現れていました。
「気」は目に見えないもので中医学特有の概念です。ストレスなど自律神経失調を伴う精神的・身体的不調の改善には「気」の働きをスムーズにする漢方薬を用いることで改善することができます。(薬剤師 田之上顕子)

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