骨髄異形成症候群(MDS) 血球減少が漢方で改善 81歳
骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する漢方治療:81歳男性における補腎補気治療の有効性
1. はじめに
さつま薬局漢方相談では、一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの漢方処方を行い、健康回復を目指している。本報告では、骨髄異形成症候群(MDS)と診断された81歳男性に対する漢方治療の経過を報告する。
2. 患者背景
- 診断: 骨髄異形成症候群(MDS)
- 年齢: 81歳
- 主訴: 皮下出血、口腔内血腫、血液検査にて血球減少傾向。
- 既往歴: 糖尿病、RS3PE症候群、肺炎
- 現病歴:
- 2024年10月:血液検査にて、血小板2.7万/μL、骨髄検査にてMDSと診断される。
- 2024年11月:血液検査にて、血小板0.9万/μLと、高度の血球減少。カルバクロム、トラネキサム酸、メナテトレノンを追加にて服用。
- 2024年12月:血液検査にて、血小板0.4万/μLと、高度の血球減少が続く。便秘で酸化マグネシウムを追加にて服用。
3. 治療
3.1 漢方治療の目的
- 腎虚の改善: 骨髄機能の低下を補い、血球減少を改善する。
- 気不摂血の改善:血小板や血管の機能を改善し、皮下出血を軽減する。
3.2 方剤
- 初期処方: 牡蠣肉製品、鹿茸製剤、帰脾丸製剤を組み合わせたオリジナル処方
- 経過観察:血液検査の結果を参考に適宜調整。
3.3 治療経過
- 2025年1月: 血小板0.6万/μLと、血球減少が止まる。
- 2025年2月: 血小板1.4万/μLと、血小板が回復傾向を示す。患者は体調が改善し、活力が向上している。
4. 考察
本症例では、高齢者のMDSに対し、補腎補気を目的とした漢方治療を実施しました。その結果、血小板数の減少傾向が改善し、良好な治療効果が得られました。高齢者であっても、成人と同じ通常用量で漢方薬を服用したことが、短期間での効果発現に寄与した可能性があります。
5. 結語
高齢者におけるMDSに対し、漢方治療は有効な治療選択肢の一つとなりうる。本症例のように、補腎補気治療により、血球減少の改善が期待できる。(薬剤師、国際中医師:田之上晃)
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骨髄異形成症候群(MDS)の全てが改善できるわけではないですが、残っている造血機能を元気にすることで、倦怠感や疲労感など自覚症状の改善、血小板値の低下の抑制・改善など、漢方薬で対処できる場合があります。
【漢方相談に関する注意点】
- 漢方薬は、体質や症状によって効果が異なります。
- 本記事は、あくまで一例であり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。
- 輸血をしている方はお知らせください。
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