漢方で自然妊娠、39歳女性の症例

来局時の状況)

38歳 医学的な不妊の原因:不明 
1人目を希望し1年
不妊治療歴:なし (治療を希望していないため未受診)

漢方による原因分析)

○経血にレバー状の塊・生理前に乳房が痛い・慢性的な肩こりなどから気滞瘀血
○乾燥肌・めまい・便秘・便が固くコロコロで便秘薬を使用・冷えなどから血虚
○胃腸が弱く胃痛や胃もたれで胃薬を処方され服用している、気力がなく体がだるい・食後の眠気などから脾虚
○扁桃腺が腫れやすい・排卵障害(生理周期は35-55日)・アレルギー性鼻炎・冷えなどから腎虚

方針)

妊娠力を高めて自然妊娠を目指す。

改善結果)

1か月目、オリモノが以前よりも増えた。体がだるい・便秘(酸化マグネシウム服用しても2-3日に1回)・胃腸の調子がわるい・手足の冷えが気になる。基礎体温は、高温期低温期ともに低め。
2~3か月目、酸化マグネシウムを飲まなくても2-3日で便がでるようになった。肌の調子が良い。生理周期41日。夏場にもかかわらず低温期35度台が多い。
4~5か月目、便通は毎日1回(酸化マグネシウム不要)、冷えが改善した、肌の調子よい、生理周期54日。初めて低温期が35度台にならなかった。
6か月目、便通は毎日、時期的にやや肌の乾燥あり。生理周期46日。低温期36度以上キープできてる。
7か月目、高温期が続いているため検査したところ妊娠反応陽性。その後胎嚢確認。

考察)

排卵がなかなかおこらないため月経周期が長びく稀発月経の方。
来局時は、基礎体温が全体的に低い、便秘、胃薬を要する慢性的な胃の不調など、漢方的には血虚・脾虚・腎虚が顕著で、妊娠しにくい状態でした。
まずは漢方で体を整えて様子を見たいというご夫婦の希望もあり、病院検査や治療をせず体質改善に取り組みました。
便通が改善し酸化マグネシウム必要なくなるなど、徐々に不調が改善してきました。妊娠する前の周期からは基礎体温も良くなってきており、「妊娠に向けて体の準備が出来てきていますよ」とお伝えしていたところ、直後に妊娠することができました。

不妊治療が保険適用となってから治療に一生懸命な方がかなり増えました。不妊治療を頑張るのは大切なことですが、「自身の妊娠力」という一番大切な部分をしっかり見て体を養っていくことの大切さを改めて感じています。自然妊娠することができて本当に良かったです。(薬剤師:田之上顕子)