来局時53歳 医学的診断:膀胱炎
主訴)膀胱炎症状を頻繁に繰り返し病院で猪苓湯の頓服でコントロールしている。できれば膀胱炎を再発しない体質になりたい。
子宮筋腫で3ヶ月前に子宮・卵巣全摘術をしてから症状を繰り返すようになったとのこと。エストラーナテープを使用している。

漢方による原因分析)
「症状による中医診断と治療」によると頻尿の弁証には膀胱湿熱・腎陰虚・腎気不固・肺脾気虚がある。この方は卵巣摘出後からの発症、冷えや疲労時での悪化、足の冷えや沈脈から腎陽虚による腎気不固が原因と分析。

方針)温腎補陽、舌苔が地図状なので最初は健脾も併用

改善結果)
煎じ薬で八味地黄丸料を選び、健脾で黄耆・党参、腎陰を消耗させないよう寒性の利水滲湿薬の車前子を加える。
1ヶ月後頻繁に感じていた膀胱炎の下腹部の違和感がなくなる。黄耆・党参と清熱化瘀の牡丹皮を抜いて補肝腎の枸杞子を加える。
2ヶ月後足の冷えがなくなってきた。車前子を抜いて牡丹皮を加える。
4ヶ月後まで継続し、膀胱炎の再発が治まっているため再診なし。

発症してからの期間が短いため早く結果が出せました。病気の本が腎虚の場合、補腎薬が比較的胃腸の負担になるため健脾をしてから補腎をしっかり続けると漢方薬の効果が発揮しやすいです。