甲状腺機能低下症は、不妊や流産、早産、妊娠高血圧症候群などのリスクになります。
近年、「潜在性甲状腺機能低下症」と不妊症との関係が注目されています。
潜在性甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモン値は正常(基準値内)だが、不足する手前の状態で状況により治療が必要となります。とくに、妊娠を希望される女性においては、甲状腺機能を正常に保つことが重要です。

最近の報告では、潜在性甲状腺機能低下症と原因不明不妊との関連が統計学的に示され、米国臨床内分泌学会及び米国甲状腺学会のガイドラインにおいて、潜在性甲状腺機能低下症で妊娠を希望される女性においては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が2.5mIU/ml以下になるように、甲状腺自己抗体(抗マイクロゾーム抗体、抗サイクログロブリン抗体)陽性の場合甲状腺ホルモン薬を投与すること、陰性の場合は投薬を考慮することとなっています。(参考文献:吉村泰典:生殖医療ポケットマニュアル、医学書院、P66~67、2014)

当薬局でも、必要がある場合は不妊症に理解のある甲状腺専門の病院を紹介して検査をうけてもらっています。