来局時31歳 医学的な不妊の原因:特にない、不育症の検査も異常ないが、やや双角子宮である
不妊期間2年2ヶ月 一人目
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法5ヶ月

漢方による原因分析)
○冷え、むくみ、疲れやすい、基礎体温などから腎虚
○頭痛、生理痛、感情変化、基礎体温、舌、便通2,3日に1回、血流計などから血虚による瘀血

方針)病院治療は休んで体づくりでの妊娠を希望される。病院治療をする前に2回妊娠し2回とも早期流産していること、生理痛や頭痛で月10回程度鎮痛剤を飲んでいるので、まずは活血化瘀を中心に補腎充精をしていく。

改善結果)
亀板膠製品と折衝飲の基本処方に加減した煎じ薬を服用開始。
1~3ヶ月目、鎮痛剤の服用回数が半減(月5回程度)。その他の不調も改善しているので、補腎疏肝にポイントをもっていく。延胡索を中止し、党参・香附子を追加。亀板膠製品を牡蠣肉製品に変更。
4ヶ月目、頭痛で鎮痛剤を服用することもほとんど無くなったので、より活血から補う方向とする。桃仁・紅花・赤芍から茯苓・生姜・大棗・桂枝・白芍に変更。2週間後妊娠陽性反応。
その後、順調に胎嚢・心拍確認。流産予防の安胎薬を出産まで継続。
⇒元気な女の子を出産されました。

病院でのタイミング療法(5回)で妊娠しなかったのに、漢方薬で体づくりをして妊娠できたことに本人はビックリされていました。
過去に、8週と9週で流産していたため、赤ちゃんが産めないのではとても不安だったようです。妊娠後も漢方薬を続け、トラブルなく出産までいけたので「漢方薬のおかげ」と言われました。
2回連続の流産は、反復流産や不育症に入ります。双角子宮も不育症の原因になります。
漢方薬で子宮の形態を変えることは出来ませんが、女性が本来持つ妊娠を継続するための力を引き出すことで、流産を防ぐことが出来たと考えています。
反復流産や不育症を含む原因不明不妊の場合、漢方薬で妊娠する方向に体を整えることが大切です。
漢方薬は毎日続けていくことで少しずつ妊娠するための体力をつけていきます。もし妊娠力が不足して原因不明不妊となっている場合は、最適な漢方薬と養生で体を変えていくのが一番の近道です。