来局時の状況)

30歳 医学的な不妊の原因:潜在性高プロラクチン血症 一人目を希望して2年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法4ヶ月

漢方による原因分析)


○足・下腹部の冷え、オリモノの変化(-)、子宮頸部異形成、アレルギー疾患、腎炎の既往、基礎体温、脈などから腎虚
○頭痛、生理前後のニキビ、感情の起伏、左卵管高度狭窄、生理痛、血塊、舌、基礎体温などから瘀血
○睡眠中目が覚める、口渇、ふくらはぎがつる、血流計から血虚

方針)

補腎養血、活血化瘀の漢方と効果を高める養生法を提案。

改善結果)

当帰製剤、丹参製剤、牡蠣肉製品、水蛭製品をD12から開始。病院の内診で卵胞はまだ小さい。普段生理周期が25~26日だが、D29でも高温期が続いていたため妊娠検査にて陽性反応。水蛭製品のみ中止。1週間後に胎嚢確認。以降安胎の処方を継続。その後、元気な男の子を出産されました。

まとめ)

漢方薬を開始する以前の基礎体温は高温期への移行がダラダラと数日かかっていた。服用開始後すぐ高温期へスムーズな立ち上がり、その後安定した高温期が継続し妊娠した。この方は、排卵や卵管采による取り込みがリズムよく機能していなかったのかもしれません。漢方薬を多めに使うことで一気に妊娠のするための機能があがったことが短期間での妊娠に繋がったと思います。

妊娠力は総合力です。数年間不妊だった方が漢方薬を開始直後の周期に妊娠されるというのは、珍しくありません。全ての歯車がかみ合ってうまく機能し始めるとあっという間に結果が出ることもあります。