来局時の状況)

38歳 医学的な不妊の原因:なし
妊娠を希望して1年 (2人目希望)
○来局時の不妊治療歴:病院でのタイミング療法2ヶ月

漢方による原因分析)

○足の冷え、尺脈弱、生理周期が短くなっている、年齢などから腎虚
○イライラしやすい、卵巣嚢腫・子宮筋腫で手術している、一人目を帝王切開で出産、舌暗紅などから瘀血
方針)病院治療を休んでいる間、一人目の妊娠・出産で消耗している腎を補充しながら活血して妊娠をめざす。

改善結果)

牡蠣肉製品と亀板膠製品と煎じ薬で芎帰調血飲去白朮・烏薬・茯苓加赤芍・女貞子・山茱萸・丹参・麦門冬・桂枝で服用開始。
1ヶ月目の周期で妊娠。

考察)

相談者は、2人目不妊の方で、妊娠を希望して1年経過している方。病院のタイミング療法でも妊娠しなかったのが、漢方服用1か月目で妊娠できたことから、排卵後の取り込みがうまくできていなかったことが原因だったのではと推察します。
排卵した卵子は、卵管の先の卵管采と呼ばれる手のような部分でキャッチされ、卵管の中に取り込まれます。この卵子を卵管采がキャッチする能力のことを「ピックアップ機能」といい、ピックアップ機能に障害があると卵子と精子は出会えません。
卵管を「腎」の一部として考え、排卵のタイミングで卵管をはたらかせるのは「肝」であると考えると、排卵に伴う出血で瘀血ができなければ、ピックアップ機能を含めた妊娠する機能が正常に働くと考えています。もし、排卵後の取り込みだけの問題であれば、漢方薬で比較的早く妊娠できます。