来局時の状況)

24歳 医学的な不妊の原因:多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
1人目を希望し5ヶ月
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法3ヶ月 人工授精1回

漢方による原因分析)

○腰痛、冷え、夜中トイレが毎日、膀胱炎の既往、初潮が遅い(15歳)、生理周期が遅れるなどから腎虚
○生理痛、イライラ、生理痛、排卵痛、経血のレバー状の塊舌などから瘀血
○ひどい便秘、生理期間が短い(4日)、経血量が少ない、睡眠中に目が覚める、髪が乾燥などから血虚
○食欲不振、食後眠くなる、疲れやすい、だるい、吹き出物ができやすいなどから脾虚

方針)補腎と活血で病院治療の効果を上げて妊娠を目指す。

改善結果)

1ヶ月目、クロミッドを5日間服用するも排卵しなかった。睡眠の状態・イライラ・冷えは良くなった。便秘は変わらず、便秘薬を毎日飲まないと便が出ない。便通を良くするために当帰製剤を増量。
2ヶ月目、便が2~3日に1回でるようになり、少し柔らかくなった。何年も服用していた便秘薬がほぼ不要になった。生理痛あり。
3ヶ月目、便が毎日でるようになった。生理痛なし。経血の塊なし。経血量は少なめ。イライラ少し。採卵し、グレードの良い胚盤胞を凍結できた。食が細く食事管理に自信がないとのことで、移植に備えて漢方薬と補助的に栄養補助食品を服用。
4ヶ月目、凍結胚移植。妊娠反応陽性、その後胎嚢・心拍確認。出産に向け安胎薬を継続。

まとめ)

この相談者は、もともと別の漢方専門薬局に行かれていたが、あまり変化がなくさつま薬局に来られました。当初から、少しでも早く授かりたいとのことで、体外受精を予定されていました。
体質は、初潮が15歳と遅く、多囊胞性卵巣症候群(PCOS)もあり、問診でも腎虚体質が顕著な方でした。
まずは体質改善して便秘薬の常用をやめられるようにすることと、血液の質を上げるために漢方薬と食事のアドバイスをしました。漢方では、便秘は血虚と言って血液量が不足しているサインです。腸の近くにある子宮や卵巣にしっかり血液を送れていないサインでもあるので血液を補う漢方で改善に取り組んでいただきました。