来局時44歳 医学的な不妊の原因:卵管閉塞
1人目を希望し2年6ヶ月
○来局時の不妊治療歴:体外受精5回、顕微授精5回、凍結胚移植6回(2回妊娠して流産)

漢方による原因分析)
○下半身の強い冷え、むくみ、口喝、夜中毎日トイレ、遅い初潮、年齢、舌奥紫などから腎虚
○子宮筋腫、卵管閉塞、舌辺瘀班などから瘀血

方針)次周期で凍結胚を移植予定。妊娠しなければ採卵予定なので、スケジュールに合わせて補腎と活血を調整して体づくりをして、病院の不妊治療の効果を上げていく。

改善結果)
牡蠣肉製品とシベリア霊芝製品と煎じ薬は芎帰調血飲去烏薬加白芍・丹参・杜仲・続断・桂枝・人参・五味子の処方で開始。
2~18診目、凍結胚移植するが妊娠せず。卵巣刺激ホルモンを放出する脳下垂体を休めるために、養心安神作用の蓮肉に変更したり微調整しながら、採卵と移植を繰り返し、最後に5個採卵し体外受精で胚盤胞を3個凍結し、PGT-Aを受け移植可能な2個を凍結保存。
19~21診目、煎じ薬は五味子・桂枝を山茱萸・山薬に変え補腎を強化し胚盤胞を移植して2回目周期で妊娠確認。その後、心拍確認。

考察)高齢で不妊治療を続けていると不安・不眠・足の冷えなどの心腎不交証となりやすい。
そのため蓮肉・牡蛎などの下降性の生薬を加味すると、体のバランスがとれ妊娠しやすくなる。
(薬剤師、国際中医師:田之上晃)