来局時39歳 医学的な不妊の原因:卵巣嚢腫、潜在性高プロラクチン血症、AMHが低い(0.3ng/ml)、卵巣機能低下(FSHが高い)
1人目を希望し4年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法6ヶ月、人工授精1回、顕微授精2回

漢方による原因分析)
○体の冷え、足のむくみ、腰痛、首筋のこり、膀胱炎になりやすい、採卵の個数が少ない、舌、基礎体温、年齢などから腎虚
○頭痛、肩こり、ひどい生理痛、舌、基礎体温などから瘀血
○よく汗が出る、胃がもたれる、便秘、疲れやすい、目の疲れ、子宮内膜が薄い、舌、脈から気血両虚

方針)漢方をしばらく続けてから顕微授精をする計画。血化瘀、補腎充精、補気養血。

改善結果)
漢方製品を組み合わせて服用開始。まもなく生理時に鎮痛剤を飲まないで過ごせるようになる。
6ヶ月継続後、1回目の採卵。8分割胚(グレード2~3)を1個凍結。その後2ヶ月製品の組み合わせを続けるも、脈弱が改善されないため煎じ薬(種子方加減)と亀板鼈甲製品に切り替える。2ヶ月継続後に凍結胚移植⇒陰性。
3ヶ月継続後、2回目の採卵。1個採卵でき授精したが分割が止まる。動物性生薬を紫河車製品と牡蠣肉製品に変更。ご主人も漢方薬の服用を始める。
3ヶ月継続後、3回目の採卵。2個採卵でき8分割胚(グレード1)と胚盤胞(4BC)を凍結。AMHが低いのでひき続き採卵することに。
3ヶ月継続後、4回目の採卵。1個採卵でき授精するも分割停止。採卵は中止して移植をすることに。
4ヶ月継続後、凍結胚移植⇒妊娠反応陽性、その後胎嚢確認。
安胎処方に切り替える。

AMHが低く(閉経間近の数値)、採卵が難しい方でした。来局以前も顕微授精されていましたが、うまくいっていませんでした。30代から数年間不妊治療をして、40歳になるタイミングで漢方を始められました。年齢やAMH低いなどで焦る気持ちもあったと思いますが、地道にこつこつと体づくりを頑張って、1年10ヶ月かけて無事妊娠されました。悪い条件ながら諦めずに努力を続けた結果です。AMHが低い方でも、体を整え自身の妊娠力を上手に引き出してあげることで、限られたチャンスを活かすことが大切だと思います。

平成29年10月15~19日、中国へ中医学研修に行ってきました。
今回の研修の主な目的は、湖北中医薬大学付属病院である湖北省中医院での研修、私の薬局で扱う亀板膠製品の原料となる亀の養殖池の見学、漢方エキス製品の製造工場見学です。

湖北中医薬大学では、産婦人科の姜教授の外来につかせていただき勉強しました。中医学的な診察方法の四診(望・聞・問・切)と西洋医学的データとを併せて治療方針を決め、漢方薬と必要があれば新薬(西洋医学の薬)を一緒に使っていくスタイルです。内診や採血など西洋医学的な検査は診察室ではなく院内の別室で行われていました。

 

亀鹿仙の原料の亀の養殖池を見学。池周辺に多彩な有効成分を含有している植物を植え、それによって亀の成分に変化がでるかを試験していました。池に直接栄養成分を撒いた方がコストも抑えられるのに、自然環境で育てるということにこだわっていると感じました。また動物性生薬の原種と雑種の有効成分の違いについても教わりました。亀鹿仙は原種のみを原料にしており、品質の良さを再確認しました。
写真左奥に有機栽培で育てられている米が並んでいます。

生まれて初めて亀を食べさせていただきました。臭みもなく美味しかったです。

これは長江のナイトクルーズの写真です。写真ではわかりくいですが想像以上に高層ビルが並んで綺麗でした。

私事ですが、研修期間中に40歳の誕生日を迎え、サプライズで皆さんから歌とケーキでお祝いしていただき感激しました。

ホテルの朝食バイキングです。初めて生の大棗(ナツメ)を食べました。甘いリンゴみたいでした。

生の山査子(サンザシ)のシロップ漬けです。甘酸っぱくて美味しかったです。
中国では生薬でも食用にできるものは、日常的に食べています。食養生です。

今回の研修で、中医学の臨床現場を体験し、患者さんに起きている現象を中医学と西洋医学の両面から機序を考えて、最善の処方を考えるという方法をさらに磨いていこうと思いました。

33歳 医学的な不妊の原因:軽度の子宮内膜症、AMH低い(40代の数値)一人目を希望して1年
○来局時の不妊治療歴:なし

漢方による原因分析)
○下腹部の冷え、むくみ、首筋のこり、基礎体温、舌、AMHが低いなどから腎虚
○ひどい生理痛、子宮内膜症、舌などから瘀血
方針)養血化瘀、補腎温陽
養血化瘀の桃紅四物湯に温補腎陽の桂皮・理気の香附子・活血の延胡索を加味し、亀板膠・鼈甲膠製品を併用。

改善結果)
あまり不調がなく健康的な方でしたが、軽度の子宮内膜症やひどい生理痛があることから、月3万円の予算で漢方薬を始めてもらいました。漢方薬を開始してすぐに基礎体温が全体的に上がる。1ヶ月後、生理が遅れたため病院を受診したところ妊娠、胎嚢確認。
漢方服用1ヶ月でめでたく妊娠されました。
子宮内膜症があったので、強めの活血薬などを使って一気に体に変化を与えてあげたことが、短期間で結果をだすことができたのだと思います。「悩んでいる皆さんに、漢方の良さを是非教えてあげて欲しい」と言って喜んでいただきました。

43歳 医学的な不妊の原因:子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、潜在性高プロラクチン血症
 1人目を希望し6年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法24ヶ月、体外受精1回

漢方による原因分析)
○夜のトイレ、足のむくみ、腰痛、首筋のこり、採卵の個数が少ない、舌、基礎体温、希発月経、年齢などから腎虚
○子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、肩こり、ひどい生理痛、舌、脈、基礎体温などから瘀血

方針)漢方を3ヶ月続けてから体外受精をしたいと希望があり、採卵まで血化瘀<補腎充精。採卵後には血化瘀>補腎充精

改善結果)
煎じ薬は芎帰調血飲第1加減に鼈甲製剤を1日2包。毎月生薬を調整し3ヶ月後には生理痛が軽減。
4ヶ月目、生理予定日を過ぎていたため検査をしたら妊娠反応陽性。その後、胎嚢確認。
安胎処方に切り替える。

この方は、もともとは体外受精を予定していたのですが、その前に自然妊娠されました。
漢方では42歳が腎虚の目安なので漢方薬も最初から補腎の生薬を多めに使用しました。結果から見ると補腎の生薬を増やすことが40代で妊娠するには必要でないかと思います。

来局時40歳 医学的な不妊の原因:潜在性高プロラクチン血症、AMH低い(0.31) 一人目を希望して9ヶ月
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法5ヶ月

漢方による原因分析)
○手のほてり、足のむくみ、首の筋のこり、腰痛、低AMH、年齢、顔の色艶、舌などから腎虚
○子宮筋腫、肩こり、頭痛、舌、脈、基礎体温から瘀血
○汗をかかない、動悸、経血量の低下、舌から血虚
方針)養血化瘀、補腎陰
亀板・鼈甲製品で滋陰潜陽し、煎じ薬は四物湯加丹参・香附子で養血化瘀

改善結果)
服用1ヶ月で肌の状態が改善。
さらに2ヶ月漢方薬を続けながら人工授精。妊娠しないため煎じ薬の基本処方を芎帰調血飲とし生薬を加減、補腎温陽の目的で紫河車製品を追加。
4ヶ月継続後、1回目の体外受精。3個採卵できたが受精卵はできず。医師からは不妊治療中止の検討するよう提案されたが、ご夫婦で話し合い不妊治療を続けることに。
紫河車製品⇒牡蠣肉製品(補腎とアミノ酸ミネラル補給)に変更し煎じ薬と併せて服用。
2ヶ月継続後、2回目の体外受精(顕微授精)。2個採卵、内1個受精卵となるも異常卵のため移植できず。
しばらく病院治療を休んで漢方薬のみを続けることにする。
補腎は亀板・鼈甲製品を1日2包、経血量が減っているので煎じ薬には何首烏を追加し2ヶ月継続。その後体調変化に合わせ煎じ薬を調経一号方加減に変更。
1ヶ月継続後、3回目の体外受精(顕微授精)。4個採卵でき、分割胚2個(共にグレード1)と胚盤胞2個。子宮の状態が良くそのまま新鮮胚を2個移植し、妊娠反応陽性。その後、胎嚢・心拍確認。
「病院治療を休んでいる間は、漢方薬を続けていただけでした。こんなに良い結果がでるなんて漢方のおかげとしか思えません。」と言って喜んでいただけました。「初回の漢方相談時に、体質改善は1年かかると先生に言われたけど、その通りちょうど1年で妊娠できましたね。」とも言われていました。
相談者は、年齢や低AMHなどで妊娠を諦めかけたこともあったと思います。私もできるだけ早く成果をだせるようにしていますが、妊娠まで丸1年かかりました。諦めずに、漢方を信じて続けていただいたおかげで妊娠に繋がって良かったです。

中国湖北省中医院研修のため、鹿児島本店は下記日程で臨時休業いたします。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いします。

10月16日~20日 臨時休業(HPからの予約はできます)

10月21日~ 通常営業               

※漢方薬の残薬のチェックをよろしくお願いします。
休業期間中は鹿児島本店の電話予約・お問い合わせ・注文は受付できません。
ホームページからのご予約につきましてメール対応になります。

なお、川内店は通常営業しております。
ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

18歳女性、ニキビ(尋常性ざ瘡)で6年。
病院でナジフロキサシンクリームやアダパレンゲルなどで治療されているが改善しないため、根本的な体質改善希望で来局。
ここ最近は毎日口囲に白い膿をもったニキビができるようになりひどくなってきている。
所見)口囲は白い面ぽうで他は赤い丘疹が多くニキビ跡は赤紫色のゴツゴツした肌、舌暗紅色、脈浮滑
方針)清熱袪湿を主に徐々に化瘀を強めていく
処方は一般的な清上防風湯を加減しました。温性の強い白芷を除き活血の丹参、整皮の薏薏仁を加え15日分。
漢方薬の味を心配していたが問題なく服用でき、新しいニキビができにくくなってきた。
尿の回数も増えているため同処方を継続。

今後悪い時期もでてくるとは思いますが、鏡を見るのが楽しくなる肌を目指して頑張っていきましょう。

来局時36歳 医学的な不妊の原因:子宮内膜症、チョコレート嚢胞、潜在性高プロラクチン血症
 1人目を希望し3年
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法12ヶ月、人工授精2回、顕微授精1回

漢方による原因分析)
○夜のトイレ、足のむくみ、腰痛、首筋のこり、髪の質感、採卵の個数などから腎虚
○子宮内膜症、肩こり、ひどい生理痛、経血の塊、舌、脈などから瘀血

方針)活血化瘀、補腎充精

改善結果)
2種類漢方薬製品を4ヶ月服用。体調変化が乏しくやや血虚があるため養血調経の漢方薬製品を1種追加。
8ヶ月目で生理痛がほとんどなくなる。その後も漢方薬を続けながら、タイミング療法や人工授精を継続するも妊娠しないため一旦治療を中止し漢方薬のみ継続。
その後、治療をステップアップして体外(顕微)受精することに。煎じ薬(種子方加減)と亀板・鼈甲製品を2ヶ月続けてから採卵。
採卵数 前回(漢方薬開始以前)2個⇒今回13個に増え、うち受精卵10個。グレードの良い受精卵複数ができた。
4個を凍結。2個を新鮮胚移植⇒陰性。
凍結胚移植にむけた子宮内環境づくりに取り組むため、煎じ薬は三稜・莪朮の破血薬を使用し、亀板・鼈甲製品を増量。移植2週間前~移植日までは破血の水蛭製品を追加。また、補腎を亀板・鼈甲製品から温腎の紫河車製品に変更し、1回目の凍結胚移植⇒陰性。
中国では、胚移植の反復失敗例は子宮内膜の感受性低下があると考えて益腎気通胞脈の二補助育湯を使って治療するので、これを参考に10味の生薬を選んだ煎じ薬と亀板・鼈甲製品を継続。(二補助育湯の組成は補骨脂・葛根・升麻・巴戟天・桑寄生・続断・牛膝・何首烏・鶏血籐・鬱金)
調整しながら4ヶ月継続し、2回目の凍結胚移植⇒陽性。後に胎嚢確認。
安胎処方に切り替える。

目標達成まで2年4ヶ月かかりました。来局する前からだと不妊期間は5年4ヶ月です。諦めずに頑張ってきた結果がでて本当に良かったです。これまでで最長期間の妊娠例で、私自身も改善できる方法はないか中医学の書籍を読みあさり成長させて頂きました。今後はこの方と同じような胚移植の反復失敗例に二補助育湯を追試して効果を検討したいと思います。

26歳 女性 アトピー性皮膚炎で17年間悩んでいる。
皮膚科でザイザル錠5mg、プロトピック軟膏、アンテベート軟膏、リンデロンV軟膏などで治療中、過去に漢方薬を病院から処方されたことがあるが改善しなかったため中止した。
症状を軽減させてステロイドなどの使用を減らしたい。
皮膚所見は赤みあり、汗をかくと痒みが増す。全身の所見を診ると体質は肝腎陰虚。

治療方針:清熱袪湿(熱>湿)、落ち着いてきてから養肝補腎
処方は清皮湯の清熱の割合を高めるため白朮・茯苓・ヨクイニンを減らし、清熱解毒目的で紫根を加える。
漢方薬を半月続けたあと一ヶ月間様子を見たところ、漢方薬を飲んでいる時の方が痒みが治まっているので、服用を再開する。
時期的に湿気が増してきたため、上記処方に利湿の蒼朮を加えた処方を1ヶ月服用してもらったところ、ステロイドの使用頻度が今までの半分になり、去年の同じ時期よりも症状が落ち着いている。

今回は上記処方をそのまま続けて様子を見たいと思います。17年間も続いている症状だけに簡単にはいかないと思いますが、ステロイドを使わなくても良い体になることを目指して一緒に頑張りたいです。

39歳男性、後腹膜線維症による水腎症、水腎症は発症して4年以上、疲労感・足のむくみなどが半年以上続いている

半年前から疲れたときや夕方の足のむくみ、体の疲れがひどいことで来局されました。
病院では、西洋医学の標準治療であるステロイドの内服、副作用対策の薬、ステントの挿入による尿路の確保をしていました。
病態と体質から、始めに補腎健脾をして自覚症状の改善をし、その後健脾から化瘀に切り替えてステントとステロイドの要らない状態を目指そうと考えました。
また水腎症は原因として免疫異常が考えられているので、検査値では白血球分画を顆粒球:リンパ球=7:3から6:4になること目標にしました。
煎じ薬は六味地黄丸料合玉屏風散可車前子、併せて亀板・鼈甲製品を服用してもらう。1ヶ月目から体調良くなり朝の目覚めが改善する。
2ヶ月後に右側のステントを除去。検査値の目標にしていた割合も6:4になる。
方針を健脾から化瘀に変更。玉屏風散から丹参・牛膝・赤芍に変更し1ヶ月継続。補腎化瘀の目的で沙棘製品を追加。1ヶ月後、左のステントを除去。
相談者は、久しぶりに体の中に異物がない状態となったことを大変喜ばれていました。

まだサポートが必要なので生薬を微調整しながら継続していただきます。
相談者は、海外出張などがあるハードなお仕事をされている方なので、漢方薬で病気にならないための力を上手に引き出せるようにしたいです。

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