来局時39歳 医学的な不妊の原因:多囊胞性卵巣症候群、排卵障害
2人目を希望し2年2ヶ月
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法17ヶ月、人工授精7回、体外受精1回 

漢方による原因分析)
○冷え、ほてり、腰痛、首筋のこり、耳鳴り、多囊胞性卵巣症候群、年齢、基礎体温などから腎虚
○肩こり、暗紅舌、舌下静脈怒張、基礎体温などから瘀血
○安静時の疲労感、目の調節障害、イライラしやすい、弦脈から肝鬱
方針)病院治療を続けながら体づくりを希望。数ヶ月したら体外受精予定。疏肝化瘀、補腎充精でストレス耐性を高めて妊娠力をつけていく。

改善結果)
煎じ薬で芎帰調血飲加丹参白芍と亀板膠製品を組み合わせて開始。体調、生理、基礎体温など少しずつ改善していく。
4ヶ月目、軟便のため煎じ薬の当帰を鶏血籐に変更し潤性のない補腎薬女貞子を加える。ショート法にて15個採卵でき、顕微授精にて10個の受精卵ができ、そのうちグレードの良い胚盤胞を2個凍結。
5ヶ月目、育児休暇が終わり仕事復帰したところ、体力・精神面ともにきつく、軟便や下痢が続く。煎じ薬を中止し、牡蠣肉製品、鹿茸製剤、帰脾湯の製品の組み合わせに変更する。
6~15ヶ月目、仕事量が多く、ストレスが大きくかかる状態のため、処方を調整しながら、体調を整えることに専念。
16~20日ヶ月目、一人目はタイミングで授かったのでできれば自然妊娠を希望し、タイミングや人工授精を続ける。軟便・下痢気味ではあるものの体の状態は徐々によくなり、以前より仕事の疲れが残らなくなっている。
21ヶ月目、体調が安定しており次周期で凍結胚移植をすることに。牡蠣肉製品、霊芝製品、丹参製剤、生脈散を服用。
22ヶ月目、同処方継続。凍結融解胚盤胞移植。妊娠陽性反応、その後胎嚢・心拍確認。出産まで、流産予防の安胎処方を継続。

相談者は体づくりを始めてまもなく仕事復帰されました。上の子供の育児に加え、仕事量の多さ・ストレスで、一時は心身のバランスを崩してしまいとても心配しました。漢方で徐々に余力のある状態になっていき、基礎体温表も綺麗になりました。結果的に1回の凍結胚移植で妊娠できました。
女性がフルタイムでの仕事をされながらの二人目不妊の場合、仕事や育児に忙しく余力のない状態になっている方は少なくありません。二人目不妊の主な原因は、年齢的な問題だけでなく一人目の出産育児で消耗している場合が多く、漢方薬で体を整えることで本来の妊娠力をとりもどすことができます。

来局時36歳 医学的な不妊の原因:右卵管閉塞、左卵管狭窄
2人目を希望し4年
○来局時の不妊治療歴:顕微授精2回

漢方による原因分析)
○冷え、白髪、基礎体温などから腎虚
○ひどい便秘、生理前から乳房や下腹部が張って痛い、生理痛、経血の塊、卵管閉塞、基礎体温などから瘀血

方針)2人目を希望してから3回移植して2回妊娠して流産しているため、流産しにくくなるように、活血化瘀、補腎充精で体づくりをしてから凍結胚を移植する。

改善結果)
牡蠣肉・亀板膠・丹参・当帰製品を服用開始。
2ヶ月目、便通がやや改善。便秘がひどく病院からの酸化マグネシウム(緩下剤)を服用していたが錠数が減った。子宮内フローラの結果も悪く、病院からのサプリメントを併用してる。緩下剤を服用しなくてもよい状態を目指す。処方は当帰製品を2.5倍に増量。
4ヶ月目、便通やや改善するもまだ緩下剤が必要、子宮内フローラ・ラクトバチルス菌が0.1→13%に改善するがまだ少ない(90%以上で妊娠率や出生率が改善する報告あり)。当帰製剤を3.75倍量に増量して3ヶ月継続。
6ヶ月目、便通が改善しないため、当帰製剤を5倍量に増量。
7ヶ月目、便通が改善し、緩下剤不要となる。また、子宮内フローラ・ラクトバチルス菌が13→99.8%に改善(90%以上で妊娠率や出生率が改善する報告あり)。次周期に凍結胚移植予定となる。
8ヶ月目、移植予定であったが体調を崩し延期となる。同処方を継続。生理が来ないため受診したところ、自然妊娠しており胎嚢を確認。流産予防のため漢方継続し、その後心拍確認。

以前にさつま薬局の漢方で妊娠された方からのご紹介で来局されました。採卵は問題なくできるものの、移植で流産を2回経験されていました。そのため、治療を続ける前に体を整えようと漢方を始められました。卵管閉塞があり、一人目も体外受精だったので、産婦人科の先生から「自然妊娠できたのは奇跡だ」と言われたとのこと。私達もとても驚きました。体外受精であっても、自然妊娠と同じく余力のある体の状態を目指すことが大切です。余力がある体とは漢方的にバランスのとれた健康な状態です。本来は卵管が塞がって体外受精・胚移植が必要なはずですが、漢方で余力がある状態を作ることで通りにくい卵管が改善され自然妊娠できることを示唆している症例です。

 

もうすぐ3ヶ月の可愛い女の子です。ご家族で遊びにきてくれました!

漢方で体づくりを頑張られて無事に出産されました。
産後も体力回復のために漢方サプリ続け、おやつとして上のお子さんと一緒にナツメを摂られています。
元気に子育てを楽しんでいただきたいです。

赤ちゃんの何ともいえない良い匂いとムチムチの感触はいいですね。元気をもらいました(^_^)

33歳 医学的な不妊の原因:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 二人目を希望
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法1回

漢方による原因分析)
○足の冷え、夜のトイレ、耳鳴り、生理周期が遅れる、遅めの初潮年齢、脈、基礎体温などから腎虚
○頭痛、末端の冷え、経血の塊、イライラしやすい、舌、基礎体温から瘀血
○汗をかかない、肌の乾燥、眼精疲労・充血、ふくらはぎがツル、イライラ、生理周期の遅れから肝血虚、
方針)養血化瘀、補腎養肝
肝腎を補い妊娠力をつける亀板膠・鼈甲膠と養血化瘀で芎帰調血飲を基本処方で補肝腎陰で女貞子などを加味し、不要な乾姜などを減らしました。

改善結果)
漢方薬を始めたその周期に妊娠陽性反応。その後、胎嚢確認。
2人目不妊の場合、出産や育児のダメージをカバーして余力のある状態へ導くのがポイントです。相談者は30代前半と若くバランスが大きく崩れていない方でしたが、月3万円以上の予算で十分な漢方薬を使って短期間で妊娠されました。

 

41歳 二人目不妊
医学的な不妊の原因:なし 
○来局時の不妊治療歴:顕微授精4回

妊娠を希望して4年。漢方で体調を整えて、不妊治療の成果を出したいと来局。

 漢方による原因分析)
○足の冷え、足のむくみ、首筋のコリ、耳鳴り、めまい、オリモノが少ない、妊娠糖尿病、基礎体温などから腎虚
○軽度の生理痛、経血の塊、基礎体温、などから瘀血

方針)活血化瘀と補腎益精の2種類の漢方薬と併せて効果を高める養生法を提案。

改善結果)遠方からの相談者の方でしたので、来局できない時は電話でやりとりして調整しながら、粘り強く17ヶ月漢方薬を継続していただきました。42歳で妊娠、43歳で無事女児を出産されました。第一子妊娠中に妊娠糖尿病になり、二人目の時も覚悟されていたそうですが、二人目の時は妊娠糖尿病にならずにすんだそうです。産婦人科の先生もビックリだったようで何かしたのと聞かれたそうです。「自分でも思い当たるのは漢方薬を続けていたことだけなので、漢方薬にすごく感謝しています。」とおっしゃっていただき嬉しかったです。

35歳 二人目不妊
医学的な不妊の原因:(ご主人)乏精子症、(奥様)卵管閉塞 
○来局時の不妊治療歴:顕微授精3回

ご夫婦共に漢方薬で体づくりした方が良かったが、予算の関係でご主人のみ漢方薬を始めることに。ご主人は以前より病院から処方された八味地黄丸と補中益気湯を服用中。男性不妊の場合、以前は体質を分析してそれに合わせた漢方薬を処方していました。しかし、現在は動物性の補腎の漢方薬を勧めることにしています。比較的短期間で子宝を授かるには、生殖機能を司る腎の機能を高める漢方薬を使うだけで十分です。

 漢方による原因分析)
○精子濃度、運動率が低いことから腎虚

方針1)中国で生殖機能減退改善に使用される海馬補腎丸を日本人の体質に改良した漢方薬を提案。併せて効果を高める養生法を提案。

改善結果)約2ヶ月後の検査では、以前より精子濃度が約5倍、運動率が約3倍に改善。そのまま3ヶ月程度続けて顕微授精。グレード1~2の胚ができ移植するが妊娠せず。その後、約5ヶ月同じ漢方薬を続けて、再び顕微授精。3個の受精卵ができ、うち1個は胚盤胞まで育つ。何回も顕微授精をしてきたが、胚盤胞まで卵が育ったのは初めてとのこと。

方針2)良い受精卵ができたので、移植後に卵が根付いてしっかり育つようお母さんの体を整える処方に切り替え。受精卵が着床してすくすく育つように、肝・腎を補う牡蠣肉と補腎補血のプラセンタ、僅かな活血作用のあるDHA・EPAのサプリメントを併せて服用してもらいました。また、この女性は6ヶ月以上、おやつとして乾燥ナツメを毎日食べていました。ナツメは生薬名”大棗(たいそう)といい、血液を補い体を温めてくれて、葉酸・鉄分を豊富に含んでいます。

改善結果)1ヶ月後、グレード2~3の胚を移植、無事妊娠し胎嚢確認。その後は安胎のために栄養補助食品を継続してもらいました。ご夫婦で協力して、体づくりできたことで目標達成出来たのだと思います。

35歳 医学的な不妊の原因:プロラクチン高め(19)、AMH0.31ng/ml、病院で半年程タイミングをとっているが妊娠しない。子宮内膜が5mm程度の周期もあり病院の不妊治療を継続できないため、漢方薬で体づくりをしたいとのこと。
○二人目不妊

 漢方による原因分析)
○足先・お腹の冷え、首筋のコリ、鼻炎などアレルギー疾患、基礎体温、舌などから腎虚(やや陰虚)
○軽度の生理痛、経血の塊、肩こり、などから瘀血
○睡眠の質が悪い、肌の乾燥、目の疲れ、生理量の低下、子宮内膜が厚くならない、脈などから血虚

方針)活血化瘀で芎帰調血飲を加減、補腎養陰で亀板などの動物性漢方製剤。併せて効果を高める養生法を提案。

改善結果)
漢方服用開始して1ヶ月目から生理量が増える。漢方調整しながら続けてもらい5ヶ月目に妊娠。
元々大阪の漢方専門薬局で漢方薬を服用し体づくりをされていたので、不妊治療を諦めないといけない状態の割には体調変化が早く出たイメージがあります。最初の頃、「以前の漢方薬局より効果が早く感じられる」といっていただけたのも励みになりました。

 

35歳 2人目を希望して1年6ヶ月
医学的な不妊の原因:なし 
○来局時の不妊治療歴:タイミング療法5ヶ月

漢方による原因分析)
○足・下腹部・腰の冷え、腰痛、疲れやすい、鼻炎、脱毛が多い、基礎体温などから腎虚
○立ちくらみ、便秘、顔色などから血虚

方針)補腎充精、養血調経の漢方と効果を高める養生法を提案。

改善結果)
漢方服用1ヶ月目に予定日を11日経過しても生理が来ないため受診したら妊娠しましたとのこと。嬉しいご報告ありがとうございます。

33歳 医学的な不妊の原因:なし 二人目不妊
○来局時の不妊治療歴:人工授精5回

 漢方による原因分析)
○手足の冷え、アレルギー性鼻炎、、過去の小児ぜんそくなどから腎虚
○子宮筋腫、手足の冷えなどから瘀血

方針)瘀血の原因の血虚を改善する漢方を処方。併せて効果を高める養生法を提案。

改善結果)人工授精直後に漢方を服用開始する。その周期で妊娠陽性反応、胎嚢確認できた。

38歳 医学的な不妊の原因:不明 二人目を希望して2年
○不妊治療歴:タイミング療法14回、

漢方による原因分析)
○手足先の冷え、イライラしやすい舌色から弱い瘀血

また首筋のこり、舌、基礎体温、生理周期が23~24日と短いなどから腎陰虚、舌と流産歴から少し脾虚体質あり
方針)活血化瘀健脾で芎帰調血飲を加減、早く妊娠力をつけるため補腎で動物性漢方製剤

改善結果)
生理初日より漢方薬服用開始。
30日目に再来局。手足先の冷え改善、脈も力があり改善、基礎体温がキレイな2層で高温期が維持されている。妊娠している可能性があるため、処方を養精種玉湯に変え弱い活血作用のある生薬を加える。動物性生薬もより安胎効果の高いものへ変更。
4週間後の来局時に、「今日病院で心拍の確認もできました!」とお喜びの報告をいただきました。
少し悪阻があり、過去2回流産歴があるため、安胎薬である補腎益脾の補腎固衝丸を加減して処方。
順調に経過し安定期へ。

妊娠を希望してから2年以上経過しており、本当に喜んでいただけました。
私も漢方薬剤師としてお役に立てて嬉しいです。
今回予想以上に早い妊娠に繋がったことから、妊娠力をつけるためには、腎虚があまりなくても補腎効果が高い漢方を使うことで早く結果をだせるのではないかと考えました。今後の漢方相談でも追試していこうと思います。

原因不明の不妊症は、原因が分かっている場合と比べて病院の不妊治療で成果がでにくいと考えられます。不妊治療とは別のアプローチである漢方で体づくりをすることで良い結果につながるのかなと思います。