55歳 女性 潰瘍性大腸炎と診断され総合病院で薬物療法を受けていました。
最近病状悪化のため入院し、手術を勧められるようになったため漢方相談に来られました。
長期で続く1日5~6回の下痢・血便や厚舌苔は脾虚困湿にストレスで悪化したり弦脈から肝脾不和が起きていると判断しました。
処方内容は補中益気湯合要瀉痛方の煎じ薬と出血がある間は田七人参を加えてもらいました。
1ヶ月服用後に出血や痛みも治まり、検査値もCRP8.04⇒1.54、Hb8.1⇒10.0に改善。
排便回数はまだ多く、舌苔の厚みも続いているため防風から理気止痢を目的に縮砂・木香に変更して2ヶ月服用。
炎症が治まり手術はしなくてもよいと医師から言われたとのこと。
たまに出血があり暗紅舌と久病から瘀血を改善する目的で縮砂・木香から延胡索に変更して2ヶ月継続して終了。

疲れやすいため体力をつけたいということで来局されました。
やせ形の体型で食べても太れない・便通が緩くなりやすいなどの体質を本治、疲労感の軽減を標治として漢方薬を考えました。
基本処方は参苓白朮散を選び、便は疲れた時に下痢になるが回数は1日1回とのことだったので、止瀉作用のある生薬を減らし補血養心作用のある竜眼肉や補陰作用のある生薬を加えました。

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これら生薬を先に煮詰め最後に縮砂という生薬を加えます。
有効成分を壊さないようにして作った漢方薬は一般的なエキスの粉薬にはない香りがします。

服用1ヶ月目から疲れやすさが軽減し、下痢になる頻度も低下したとのこと。
改善に合わせて生薬を加減しながら4ヶ月服薬後終了。

この方は、体外受精などの不妊治療の効果を高めたいということで、1ヶ月前から漢方を始められました。

漢方薬を飲み始めて、朝の目覚めが良くなり、仕事での疲れやすさがかなり改善されたとのこと。
これらは妊娠とは何の関係もなさそうな自覚症状ですが、妊娠する力を測るには重要なことです。
実際に西洋医学においても、妊娠しにくい原因は、健康でないことにより生命維持のためにエネルギーが使われ、生殖機能にエネルギーが回らないからだと考えられています。

漢方は健康になるための実践医学として発展した歴史があります。
もし西洋医学で成果でない場合は、漢方薬を使って異なるのアプローチをすることで滞っているエネルギーを動かし眠っている力を引き出してあげます。

この方は、漢方の基本構成成分である「気」・「血」・「水」の中で1番重要な「気」の機能が回復し、体調がよくなってきました。
今回は、「血」の巡りを改善する生薬の割合を増やした処方で漢方薬を作りました。
この調子で体調を整えていき元気な赤ちゃんを授かりましょう。

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1ヶ月分(60包)の煎じ薬パックを作りました。

ストレス時に下痢になりやすい方で一人目を希望して来局された方の漢方薬です。
3ヶ月間漢方で体づくりをしてから採卵をし、グレードの良い卵が2個とれました。

これからは胚移植に向けた体づくりをしつつ、その間に自然妊娠されないかなと期待しています。
毎回漢方相談時に血流計で測定しているのですが、血流量が漢方薬を服用してから改善しています。
今回は1ヶ月近く漢方薬の服用を休んでいたら初回時の血流量に戻っていたので漢方薬で改善してることが再確認できました。
今回の処方も前回と同じ黒逍遙散に丹参・香附子・延胡索などを加えています。
疏肝解鬱(気を巡らせてストレスを和らげる)する薄荷は下の写真とは別の小袋に入れています。
煎じ終わる前に投入して揮発性成分が蒸発しないようにします。

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この調子で一歩一歩と妊娠力をつけて子宝に恵まれることを願っています。

生理前になるとイライラや倦怠感がひどく3年間も悩まれていたという方の漢方薬です。

中医学で活血化瘀の代表的処方である血府逐瘀湯を体質に合わせて生薬を加減しています。
血府逐瘀湯は、活血化瘀・理気止痛・補血の効能がある処方です。狭心症などにも使用されますが、月経前症候群や無月経など婦人科でも生薬を加減して使用されます。

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卵巣嚢腫があり倦怠感がひどいということで漢方相談に来られた方が漢方薬を服用して2週間で倦怠感が改善されてきたとのことでした。

漢方を標榜している病院にかかっていたが効果がみられないということで来局された方で、効果に時間がかかるかなと思っていました。
比較的短期間で改善の兆しが出てきたので良かったです。
また、もともと便秘気味だったのが、毎日軟便でお通じがあるようになったとのこでした。
そのため今回は潤腸作用のある桃仁の量を減らしました。
また、夏のせいか食欲が落ちているとのことなので、
補腎養血作用の熟地黄は胃腸への負担がありますが量は減らしたくなかったので、副作用予防の縮砂を足しました。それと白朮を足して様子を見ようと思います。
少しずつ体調を見ながら調整して漢方専門薬局に来て良かったと感じてもらえるようにしたいです。

余談ですが、下の写真の赤い生薬は紅花といいます。瘀血をとるためによく使われる生薬です。
キク科のベニバナの管状花です。匂いが独特です。煎じ機にかけていると室内に充満して妻からは気分が悪くなると言われます。しかし、この生薬が必要な体の方は、匂いが気にならず普通に煎じ薬が飲めるようです。不思議です。

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門脈圧亢進症の原因の90%は肝硬変といわれています。
症状は、腹水、腹部が腫れて内出血をおこす、脾臓の腫れ、血小板数の低下などがあります。また門脈圧が亢進することで、食道・胃の静脈瘤が破裂し大量の出血を起こすことがあります。

ご相談者は病院の治療を続けていても腹水のたまり方が変わらないので、少しでも腹水をたまらないようにするために漢方薬を希望されてこられました。

利水化瘀の生薬の組み合わせです。
ただの利水のみだと腹水の対処療法になってしまいます。
なぜ腹水がたまるかというと、肝臓のつまりから血液の流れが悪くなっていることが原因です。
つまり瘀血を取り除く活血化瘀の生薬使うことで腹水の原因を解決し、今後たまりにくくしていきます。

漢方治療で大切なことは、対処療法と原因療法を組み合わせる=標本治療を行っていくことです。

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70代女性で夏場でも背中に冷えを感じ、太腿の内側の痛みでお悩みとのことでした。
病院の検査では異常が無く、老化が原因とのことでした。
出産後から冷え症で悩むようになったとのことで、結構長い期間のお悩みです。

痛む場所を確認したら肝の経絡に沿っていたので、肝経の袪寒が得意な処方を選びました。それに、熟地黄など補腎の生薬を足しています。
服用後の変化を見て、今後細かい生薬の調節をしていきます。
できるだけ早くお悩みが改善できるよう頑張ります。

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めまい・倦怠感を減らして欲しいというご相談でした。
病院で子宮内膜症性卵巣嚢腫と診断されホルモン剤による治療をしているが、めまいなどがつらく日常生活に支障をきたしているとのことでした。

中医学の分析では、腎虚と血虚がひどい状態でした。
そのため漢方薬の治療方針は、補腎養血と嚢胞を改善する活血化瘀になります。
養血と化瘀の割合が重要です。
めまい・倦怠感を早く改善するために養血の割合を高くしすぎると瘀血がとれにくくなりチョコレート嚢腫に良くありません。
かといって瘀血をとる生薬を使いすぎるとめまい・倦怠感がひどくなる可能性があります。
今後体調を確認しながら漢方薬の調整をしていこうと思っています。

写真の生薬を煎じて、かすを取り除いてから養血作用の高い阿膠を溶かします。

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